マーケターにはなるな。2

こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

さて、以前『マーケターにはなるな。』という記事を書かせていただきました。
続編というわけではないのですが、たまたまその記事を読み返していて、思うところがあったので色々と書かせていただきたいと思います。

マーケターとは?

そもそもマーケターとはいったい何なのでしょうか?
チラシ作る人?
ネット広告する人?
人心を煽る文章を書く人?

コトバンクでは

「マーケターとはマーケティング理論や調査に専門的な知識を持つマーケティング戦略立案者のことをいう。」

と書かれていました。
この通りだとすると、ただ新規顧客を増やすだけでなく、会社が利益を上げ続けられる仕組み作りまでもを考える人のことをマーケターと言うのではないでしょうか?

マーケターがすべてを台無しにした

アメリカの起業家ゲイリー・ヴェイナチャックは「マーケターがすべてを台無しにした」と言っています。
どういうことでしょうか?

彼いわく、ビジネスというのは非常に退屈なものなので、それをいかに面白く伝えるか(笑いという意味ではなく)が重要だと言っています。

彼は

「ストーリーを付加価値にすることがものすごく大事なんだ。タイムマシーンがあって、1968年に戻ったとしよう。それでペットボトルの水を3ドルで売ろうとする。その時代の人は何て言うと思う?Get the fuck out from here!! (消え失せろ!!)と言うよ。」

要するに、水は水でもアルプスの麓から湧き出る水とか、どのようにして汲んでいるのか、どんな苦労があったのかなど、消費者が体の中に入れたくなるような付加価値の高いストーリーを考えることで、ペットボトルの水でも3ドルで売れるのだと言いたいようです。

確かに、本当にマーケティングの本質を学ぶと、そういうストーリー(もちろん、ウソはダメですよ)ってとても重要なことですし、人はそういう部分に共感を覚えるのだと思います。

ということは、マーケティングの本質を勉強せず、ただ「マーケティング=広告」と思い込んでいるマーケターは、反応率だコンバージョン率だと数字を分析して、より強いオファーをかけてそれらの数字を上げるために、「今なら〇%OFF」というクーポンをつける等の手法ばかりやってしまい、市場をダメにしたということになります。

最近はメールでもチラシでも、「〇%OFFクーポン 有効期限〇月〇日まで」とか「今だけ0円!」とかそんなのばっかりで、見る方も飽きてくるし、「どうせいっつもやってんでしょ」的な感覚になりますよね。

まあこのあたりは以前の記事『それでも値引きする?』を読んでいただくと私の言いたいことも、そしてマーケティングとはなんぞやということも書いてあるので参考にしていただければと思うのですが、マーケティングをしっかり理解していないエセマーケターが業界を荒らすというのはどうやら我々の業界だけでなく、どの業界にも当てはまることのようです。

我々の業界にも、エセマーケターはたくさんはびこっております。
そんな我々の業界内でのエセマーケターの共通点を書いていってみましょう。

エセマーケターの3つの手口

・「技術は関係ない」と言う

「いつまで治療技術を勉強し続けるんですか?」「経験の浅い先生でも月商〇〇万円」等、売上と技術を切り離していく論理展開をしていきます。
果たしてそうでしょうか?
我々柔道整復師や鍼灸師だけでなく、あんまマッサージ指圧師、そして最近は「整体院」として独立される理学療法士の方も増えてきましたが、国家資格を持つ持たないというのは、法的なくくり(業務独占や専門的な法律)だけでなく、医療人か否かという部分の差が大きいのではないかと思います。

もちろん、民間の資格等を持ってはいるけれど、日本の法律としては「無免許」であるカイロや整体の方でも、それくらいの気概を持ってやっておられる方々も多いとは思います。
しかしそれは、気概を持つか持たないかの選択ができるわけで、我々医療人には選択の余地はない(もちろん、その免許を取るという時点で選択をしてはいますが)のではないかと思うのです。

だとすると、我々が患者さんに提供しないといけないのは「根拠ある医療」ということになってきます。
いわゆるEBMという考え方です。
EBMは「科学的根拠」「医療者の経験・技術」「患者の意向や価値観」「理論」という4つの要素が必要とされております。
技術や経験がないと良い医療は提供できないということなのです。
だからこそ我々は修業をし、開業しても最低限なんとかできるまで技術を磨いてきたわけです。

また、マーケティングという観点から見ても、治療技術がないものを売るというのはマーケティングを深く理解すればするほどあり得ないということが理解できてきます。

しかし、経験、技術が「本来まだ開業してはいけないレベル」である場合でも、最大瞬間風速的に売上をUPさせることができてしまうのもマーケティングというものの怖いところでもあります。
マーケターに良心があるか否かにかかっているのです。

・「患者」を「客」と表現する

最近我々の業界でも「集客」という言葉が出回っております。
マーケティングや事業のことを業界関係なく書く時は私も「集客」と書きますが、それ以外で私は新規の患者さんを集めることなど、患者さんに関わることに「集客」という言葉を使ったことがありません。
これは、私自身医療人として非常に抵抗のある言葉なんです。

で、なぜ抵抗があるのかを検証してみました。

まず、「患者」という言葉を英語にしてみました。

「患者」は英語で「patient」です。
では、この語源はどうでしょうか?

『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店で調べると、patiはpassと同様「行動(action)を受ける」という意味のラテン語から派生したもので「苦しむ」という意味を持ち、「pati(苦しむ)+-ent(~するもの)」で「病人・患者」となるということです。

日本語にしても、以前ある医師に

「患者という文字は、心に串が刺さった者と書く。その串を抜く手伝いをするのが医療なんだ」

と教わりました。
今でも私はそれを肝に銘じているつもりです。

では、「客」というのは英語にするとどうでしょうか?

「客」は英語で「Customer」です。
customerは「習慣」という意味のcustomと関連があります。この「習慣」という部分から、なじみの客、特定の店によく行く客という意味が出てきます。
ちなみに、「consumer」という言葉がありますが、これは日本語では「消費者」となります。

 

日本語における「客」は、英語でいう「consumer」と「customer」の両方の意味が含まれているから、「常連客」「一見客」などと言う表現があるのかもしれません。

そう、こうやって分析しても「患者」と「客」では、そうとうな隔たりがあります。
それを一緒くたにしてしまうのってどうでしょうか?

特に最近は、元々は医療人や治療家だったにも関わらずマーケターをしているような方々も見受けられます。
ご自身が売上をあげ、事業として成功をされ、その方法なりをセミナーすることなどはいっこうに構いませんが、医療人が発信するという立場を忘れてしまうというのはどうでしょうか?
もちろん、我々の業界外のマーケターの方が「集客」というのは問題ないと思います。
あくまで我々の業界内のお話ですから。

「患者」を「消費者」や「客」としてだけ捉えるから、LTVを上げるとか言って、患者から回数券や会員制等で、楽して継続的にお金を搾取しようとするのではないかと思うのです。

・「怒り」を覚える文章ばかり書く

これもよくあるパターンです。
例えば

「金稼いでから文句言えよ」
「売上の上がらないヤツはバカだ」
「俺より稼いでないのが文句言うな」
「行動できないヤツはカスだ」

みたいなやつです。
これはテクニックのひとつではあるのです。
「怒り」という感情はとても強い感情で、この怒りの感情を出させると反応が良くなるのは確かなのです。
そしてアンチを生むわけですが、それほど感情を煽る文章なので、逆に共感される時も強く共感されるわけです。
特に、今売上に困っている院の先生が

「売上上げられない治療家なんてカスだよね。俺に金払えば金の稼ぎ方教えてやるのに」

的な文章を読んだとします。
冒頭で「カチン」と来た時点で感情のバランスが崩れているので、あとの文章を思わず読んでします。

すると「金稼げてない治療家はすぐに俺のセミナーに申し込め」的なことが書いてある。
思わず申し込んでしまうという仕組み。
あとは受講者を増やすために「まだ申し込まないの?行動できないのはカス。一生貧乏でいろよ」「いつまでウジウジやってんだ」「成功者はみんなすぐ行動、だからお前は成功できないんだ」的な文章で追い込む。

私自身は「怒り」の感情を出させるような手法を取るのは、本来は「ここぞ」という時だけにした方がいいと思っています。

考えてみてください。
目の前に人がいます。
その人を怒らせるとしたら、あなたはどうしますか?

初対面の人にいきなり「アホ!」って言っても、関西なら「なんでやねん!」って突っ込まれて、笑いに変わって終わるだけかもしれません。
毛髪の薄い人に「ハゲ!」というとか、太ってる女性に「デブ」って言うとかでも、関西なら何割かは笑いに変えられるかもしれません。
そう、人の怒りを出させるって結構なことしないといけないわけです。

そんなことばっか書いてるマーケターは、単に反応を上げたいだけのマーケターです。
先述したように、マーケティングをしっかり理解していない証拠だと思われます。
それになにより、下品です。

足元を固める

エセマーケターの手口を書かせていただきましたが、真にマーケティングを学んだら、もし売上が上がらない院の売上を上げていくためにやることは「足元を固める」という作業になります。

なぜなら

「売上が悪い=院、もしくは先生そのものに何か問題がある」

からです。
問題がないものを消去していきます。
技術、経験、コミュニケーション能力、院内環境・・・・・

意外なんですが、売上がしっかり上がっていない院は、埃まみれだったり、蜘蛛の巣がはっていたり、ベッドの上に棚があって、患者さんの頭の部分なのに物がはみ出て見た目も汚いし落ちる危険があるなど、「え?なんでちゃんとやらへんの?」と思うところができていない院が多いです。
あとはトイレですね。流行っている院はトイレが綺麗です。

何度も書いていますが、新患の数を増やすのって、そんなに難しいことではないんです。
それだけなら、別にエセマーケターでも良いんです。いや、あんなり良くないけど。
しかし問題はその後なんです。
回数券や定額制などの仕組みを作らずとも、患者さんがしっかり納得して、喜んでひとりでに通ってもらえるようにするには、院そのものの質を向上するしかないわけです。
そして、本来はそういうことをたたき込まれてから開業するのが我々までの時代だったのですが、最近は分院展開によるマニュアル化や、エセマーケターによる情報拡散によって、技術も経験もあまりなく、人としても未熟すぎるまま開業する先生が増え、そういう先生がまたエセマーケターに煽られてセミナーを受け、最大瞬間風速的な売上をあげ、変に得意になり、なぜか経営セミナーを開催したりするという、ネズミ算的にエセマーケターが増殖してしまうような状況になっています。

新患を集める前に絶対にしないといけないことは、結構基礎的なことなんです。
そしてその中にはもちろん技術や知識も含まれるわけですが、一番重要なのは、「真摯さ」「一生懸命さ」ではないかと思うんです。
一生懸命売上を上げる・・・のではなく、一生懸命患者さんのことを考え行動するということが重要なんです。それさえできていれば、さほど仕組みを作らずとも売上は伸びていくはずです。

売上は急激に伸ばすな

最近は「〇ヶ月で売上が〇倍」とか「〇ヶ月で〇〇万円達成」等もありますが、これもまた怖いです。
ちょっと関西風に書かせていただきます。

ガ〜〜〜〜〜〜っと上がったら、ガ〜〜〜〜〜〜っと下がるで!

ってことなんです。
まあ、それだけではないのですが。
実は業種に限らず、一人親方で事業をする場合、自分が現場に居ながらにして、人を雇って事業をする場合である程度年収の天井があるのです。

そこを超えて稼ぎ続けると・・・・

「家族に問題が起こる」

と、真っ当なコンサルタントの方々は口を揃えて言われています。
ですので、年単位で2割〜3割ずつ売上を上げていく戦略を考えた方が良いわけです。
で、売上が自身の状況の天井まで到達した際には、一人院なら人を入れるのかそのまま平和に暮らすのか、すでに雇っているなら分院展開するのかしないのか等を検討していけばいいわけです。
自身がしたくないなら、別にしなくてもいいのです。
年商〇千万とか〇億円というのが全てではなく、あなたがあなたらしく収益を上げ、Happyな人生を送る方が重要なのですから。

ただ、家族持ちが家族養えないほど売上が悪いのはダメです。
それは責任問題です。
しっかり養えるようになるまでは自分らしくとかは通用しません。

最後に

さて、こう書いてみても、医療人が浅いマーケティング知識をひけらかすと、業界にとっても害毒であることはおわかりいただけたと思います。

中には

「綺麗事言うなよ」

と言われる方もいらっしゃると思います。
しかし私は、本当に治療が好きで、患者さんのことを考えて、高い金額をいただくことに罪悪感を感じるような先生に、ぜひその感覚を持ったまま自費治療を上手に導入し、その先生にとってのHappyな人生を歩んでいただけたらと思うのです。
だから、この綺麗事を実現しようとしているのは、私にとって挑戦なんです。

しかし、アカデミーの会員の先生は現在ですべての院で自費治療の導入が終わりました。
あとは会員の先生それぞれの段階に応じて課題が違いますので、私の挑戦もまた新たな段階に入ってくるのです。

※お知らせ

12月20日(日)に、10時から18時という長い時間ですが、「真・治療院マーケティング講座」というものを開催します。
アカデミーの特別講師として、本物のマーケティングのプロの方に来ていただくことに成功し、その方と私との二人講師で、マーケティングの原理原則から、実際に明日から実践して売上を上げていただくワークまで盛り込んだものになります。
受講料は決して安くないですが、1日かけてマーケティングをしっかり学び、そして講座の中で院のマーケティングプランを構築することで、受講料以上のものが得られることは間違いないでしょう。
また、懇親会もあります。
お酒の席で得るものは、オフレコなものもあり得るものも多いと思います。
現在、講座案内のページを作成中ですので、完成次第公開させていただきます。
今から12月20日のスケジュールをおさえておいてくださいね。


投稿者: 正隆松村

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