時間を守らない患者さまに対する対処法

こんにちは、治療院経営LABの松村です。

よく受ける質問があります。

 

「予約時間に遅れてこられる患者さまには、どう対応したらいいですか?」

 

というものです。
悩みますよね〜、これは。

特に新規開業したばかりだったり、売上がそれほどでもない治療院なら、

 

「どうせ次の予約枠も空いてるし、受け入れよう」

 

となるかもしれません。
でも、心の片隅で、

 

「くそ!平気な顔で遅れてきやがって!院が流行って、遅れたら治療受けられないような予約状況になったら思いっきり断ってやるのに!」

 

って思ってませんか?

今回は、予約時間に遅れてくる患者さまに対する対処法と、その考え方について書かせていただきたいと思います。

 

 

INDEX

パターン別、遅刻する患者さまへの対処法

予約時間に遅れてくる患者さまは、つのタイプに分かれます。
それぞれに応じた対処法がありますので、タイプ別に解説していきたいと思います。

 

「え〜、そんな厳しくしてるの?」

 

そう思われるかもしれません。
時間に厳しくしている理由については後述させていただきますので、まずは対処法をお読みください。

 

パターン1いつもは遅刻しない患者さまが遅れた場合

「うっかり予約時間を勘違いしてた」「事故やトラブルで電車がとまって動かない」などの不可抗力による遅刻は誰にでもあるものです。

普段は時間を守られるのに遅刻してしまったという場合、私の院では予約状況を見て受け入れるようにしております。
まあ、そういうことも見越して段取りを切り替えられるようにしているので、大幅に遅れられない限りは大丈夫なようにはしております。
逆に30分以上遅れられる場合は、空いてるところに入れるようになんとか工夫することもあります。

まあ、常識的な患者さまですので、遅れてしまうとわかった時点で事前に連絡してくださる場合がほとんどですし、常識的な患者さまほど予約を取り直すとか、出直します的なことを言われるので、こちらとしても、なんとかしてあげたいと思って対応するという形でしょうか。

ただ、本当に隙間なく予約びっちり埋まっているという場合はさすがに予約を取り直していただくこともあります。
これはもう状況次第、と言ったところでしょうか。

 

パターン2こちらは受け入れたいと思う患者さまだけど、時間にルーズという場合

以前、必ず30分遅れてこられるおばあちゃんが通ってました。
隣りの市からわざわざお車で来られていたのですが、絶対に30分遅れるのです。笑
日本、というか日本本土の文化では生きておられない方です。

例えば12時の予約だと、12時に家に出るわけです。

なぜ知ってるかというと、毎回きっちり30分遅れてこられるので、「何時に家出てるんですか?」と聞いたらシレッと「12時」と回答されたんですね。

でも一応、「遅れてすみません」とは言います。笑

生まれた土地がそういう文化で、大人になるまでそういう土地のそういう文化で育ち、集団就職で関西に出てきたもののすぐに結婚してずっと専業主婦をされていたとのことですから、時間を厳守しないといけないイベントはお子様の入学式と卒業式くらいのものだったのでしょう。

70年、そうやって生きてきたのですから、治るはずもありません。
いきなり「英語喋れ」って言うくらい無理でしょう。

予約制の目的のひとつは、待ち時間なく円滑に治療することです。
この方の場合は、足が震える(いわゆる振戦的な)という症状でしたが、明らかにパーキンソン病じゃないのに病院で

 

「検査しても正常ですけどパーキンソン病だったらいけないからパーキンソン病のお薬出しておきます」

 

と言われて数年ずっとそのお薬を服用され、そのあげく症状は改善されてないというかわいそうな状況だったこともあり、せめてそれだけはなんとかしてあげたいと思ったので、この人対策を考えました。

時間にルーズとは言うものの、ご自宅の宝塚市から車で西宮市に来られるので、所要時間は30分弱。
この方の場合は、必ず12時に予約をして、自宅を12時ちょっと前に出るという形ですので、なんだかんだと必ず12時30分前に到着されるということになります。
ですので、本人は12時に予約を入れられますが、うちの予約表には12時30分に予約を入れておくということにしました。ごくたまに12時過ぎに来られることがありましたが、ほとんどなかったことと、当院にとって12時とか12時30分はさほど人気の時間帯ではなかったことが幸いしたので、このように対応しました。

ちなみに、12時30分の予約には一度も遅れたことはありませんでした。笑

この対応で、症状が完全になくなるまできっちり通っていただくことができました。
しかし、症状がなくなった時点で、メンテナンスの提案はせずに通院を終わらせました。

これはやはり他の多くの時間を守ってくださる患者さまに失礼に値するということがあります。
ただ、いいかげんな医師によるいいかげんな診断のいいがげんな処方に頭に来たことと、そういう医療被害者を救いたいと当時はなぜだか燃えていたので、このようにしました。

原則としては、お断りするのがいいかと思います。

 

パターン3最初は時間を守っていたが、通うにつれて5分、10分遅れるようになったという場合

うちの院の場合は、予約時間は守ってねというのは、割とよく告知しているので、初診から数回目までは緊張感から時間を守られる患者さまが多いのですが、通ってきて少し「なじみ」っぽくなってくると、遅れてくる人が出てきます。

その中でもパターンが2つありますので、それぞれ解説していきます。

 

遅れるときに連絡をしてくる場合

遅れるときに事前に連絡をくださる場合は、遅れても大丈夫な場合は「いいですよ」と回答しますし、次の患者さまに影響がある場合は予約を入れ直していただきます。
ただし、5分10分の話です。30分遅れるとか、1時間遅れるとかの場合は、予約を取り直していただきます。

 

遅れるときに連絡をしない場合

基本的には予約を入れ直していただきます。
ただ、どうしても電話がかけられないときもありますよね。
要するに、その患者さまが自分の院のことをナメているのかそうでないのかを加味してお断りするかどうかは決まります。現在はLINEという手段も使えますので、電話できない場合のみLINEでも予約に遅れる連絡は受け付けておりますが、「約束を破る」という「人としての禁忌」を犯すわけですから、気軽に済まされすぎないようには注意しております。

 

完全に「連絡すれば遅れてOKでしょ」というノリの場合

「遅れる場合は連絡してください」と言ってはいますが、連絡すれば遅れていいってものではないのが社会の一般常識です。そういうノリだと判断できる場合は、たとえそれが5分であっても、いや、1分であってもお断りするべきです。

以前、こんな患者さまがおられました。

LINEで「電車が遅れたので遅れます」と連絡があったのですがご丁寧に乗り換え案内のスクショを送ってこられました。

そもそも、電車が遅れなくても遅刻する時間でした。笑

「走れば間に合う」じゃないんです。
走っても多分ギリギリか、1、2分遅れます。

きっちりお断りさせていただきました。

 

パターン4時間にルーズでなおかつ遅れたことに謝罪がない場合

これは簡単です。
一度や二度なら受け入れますが(余裕がある場合)、あ、こいつルーズで反省もしてないなとわかれば、どれけ遠方から来られる患者さまであってもお断りします。

これは事前に電話をしてきても同様です。
というのも、遅れないようにすればいいのですから。
毎回「遅れます〜」っておかしいですし。

原則として、一般常識的には予約時間に遅れるというのは問題があります。
なのでお断りするのが大原則となります。

ちなみに、遅れたことを悪いと思っていない人って、断るとふてくされます。
ほぼ確実に。笑

うちに来られてた方で、必ず遅れるという患者さまがおられ、よく私に断られて、そしてふてくされてました。笑
それでもまた来るんだからすごいんですけどね。

その方が勤務する会社、業績不振でリストラされてました。
職場でも同じことやっていたんですね。

 

パターン5予約時間よりかなり早く来院される場合

時間に遅れなければいいというものではありません。
予約時間の30分前くらいに来られて、困ったことはありませんか?

そもそも、予約時間の1時間前とか30分前に来るってちょっとおかしいです。

例えば私がセミナーを受講する場合、ほとんどの常識的なセミナーというのは13時開始だとして12時30分受付開始という感じで案内されます。

ならば12時30分より前に会場についても、相手は迷惑なわけです。

でも、席は前のほうを取りたい。
そういう場合は、受付開始時間の5〜10分前、早くても15分前に行くようにしてます。

会場が遠方の場合は、早く着くようにしておいて、会場近くの飲食店で時間を潰してます。

早く着いたから早く治療してもらえるかも、なんて考えている場合もあります。
しかし、それは患者さまの都合であって、こちらの都合ではありません。

ですので、この場合は「予約時間は〇時ですので、それまでお待ちいただきます」と伝えます。
正直、30分も待合室にいられるのは私はイヤなのですが、そこは我慢します。笑

ただ、こういう方はしっかり待たせると、何回目かで諦めて時間の10分前くらいに来られるようになります。

 

 

予約時間を守っていただく理由

さて、では私が予約時間に厳しくする理由を書かせていただきます。

治療に必要なのは「場作り」であると以前からお伝えしておりますが、予約時間を守るということも場作りのひとつなのです。

遅刻する、早く来すぎる、これは患者さま都合です。
要するに、患者さま主導で治療が始まってしまいます。

強いマッサージやボキボキする矯正でない、ソフトな刺激で良い治療をする場合や、エネルギー系の治療をする場合、技術そのものが重要なのはもちろんですが、場作りで効果が変わります。

患者さま主導で、患者さまの言うことをなんでもハイハイと聞くのは、治療効果を落とすことになるのです。

治療は予約を取る前から始まってします。
もちろん、ほとんどの患者さまは常識人ですので、場作りに苦労することはありません。

しかし、時間を守れない人というのは、基本的に自分のペースでしか動かない人、つまりワガママな人なのです。

そういう人を治療するとなると、自分がもんで欲しいと思ったらそれを押しつけてくるわけです。
しかし、身体に悪いことをするわけにはいきません。
しっかり説明しご納得いただきますが、相手に聞く気がないと無力です。
まずはこちらの言うことを受け入れる心構えになっていただくことが重要になります。

また、ワガママな人は指導も聞きません。
聞かなければ治りません。

このような対応を徹底することで、治らない、というか治す気のない人は来なくなります。
自身が、治す治療院にこだわるのなら、「うちはマッサージ屋やサロンちゃうぞ」と思っているのなら、必ずこの対処法を実践しなけばならないのです。

 

 

だからあなたの治療院には患者が残らない

治療家の先生から、経営上の様々な質問をいただきます。
今回の内容もしかり、です。

で、私は今回の記事の内容をほぼそのまま回答させていただきます。

 

「先生の院はもう流行ってるからできるんですね。もうちょっと患者さん増えてからやります」

 

と言って実践しません。
結局、ワガママな人に振り回され続けるのです。

だから、常識的な患者さまが集まらない。
私の院のように良い患者さまを残して悪い患者さまを排除する院のおこぼれをもらい続けなければならないのです。

そしてワガママな人は自分都合で通院しなくなります。
もっとワガママを聞いてくれるところに転院します。
強くもんでもらえるマッサージ屋に行きます。

そして、「治らない」と言われます。

そんな院のままでいいのでしょうか?

 

 

治療家も時間厳守を!

治療開始時間の厳守は当たり前

予約は約束、と先述したかと思います。
予約というのは、患者さまの立場からなら、「〇時に院にお伺いします」という約束です。
我々治療家の立場では「〇時から治療します」という約束になります。

双方の約束事なわけです。

となれば、よほどの不可抗力がない限りは、予約時間になっても患者さまが治療室内に入れないということはあってはなりません。

こちらが時間を守らなければ、患者さまも時間を守っていただけません。

歯医者が良い例です。
予約時間になっても、その通りに治療開始とはなりませんよね?
だいたい待たされます。
どうせ待たされるなら、待ち時間分くらい遅れてもいいよねってなりますよね。

 

治療終了時間も厳守するべし!

実は、案外とできてないのがこれです。

 

「おい、俺ら治療家はマッサージ屋と違うから、〇分〇円とちゃうやんけ!」

 

と仰るかもしれません。
それはその通りです。

実はそれとこれとは別問題なのです。

〇分〇円でないとはいえ、だいたいの治療時間はそこそこ決まってくるものです。
そして、予約枠もあります。

例えば30分枠だったとして、30分以上治療をした時点で、次の予約の患者さまとの約束を守れません。

もうひとつは、治療時間が「長くても〇分くらいだな」と思ってスケジュールを立てます。
治療終えてから、あそこ行って、どこ行って・・・みたいな。

終了時間を守らないと、患者さんのスケジュールが崩れます。
でも、一生懸命治療してくださっている先生の手前、

 

「ちょっと仕事戻らないといけないでそろそろ終わってもらえます?」

 

とは言いにくいものです。
なので、終わる時間を守ることも場作りには必須なのです。

ちなみに、精神医学で言う「治療構造」でもカウンセリングの終了時間の厳守は言われています。
治すために必要なものですし、オペレーションの確立のためにも必須ですので、ここは厳守すべきです。

で、正直なことを言わせていただくとするならば、時間をコントロールできない技術レベルで開業しちゃったの?って話なんです。

ちょっと技術レベルが低すぎます。
鋭意、努力してください。

 

 

まとめ

患者さまとの約束を守ることは、治療効果を高めるために重要な「場作り」であるということです。
先生が学び、努力して研鑽した治療技術を活かすも殺すも場作り次第となります。

最近は、「ホスピタリティ」と言われ、一流ホテルが宿泊客の無理な要望をなんでも聞き入れるようなことを紹介してることもありますが、あんなのは治療家がマネすることではありません。

また、本来「場作り」というのは、治療の勉強をしっかりしていたら、自然にこだわりが出て勝手にできるものなのです。

なかなか治療効果を出せない先生リピート率が低い先生ワガママな患者さまに悩まされている先生はまだまだ未熟なレベルだということを認識していただき、今回紹介させていただいた対処法を実践できるレベルに上がっていただければ幸いです。

 

 

手っ取り早く「場作り」を身につけることができます

厳しいことを書かせていただきました。

 

「そんなこと言っても、開業しちゃったしなんとかしないといけないんです!」

 

そう思われた先生もいることでしょう。
実は、患者さまとのコミュニケーション方法によって「治る場作り」をすることが可能です。

 

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投稿者: 正隆松村