【番外編】理学療法士の開業について思うこと。


こんにちは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

さてさて、

「なんで柔整師、鍼灸師のお前が理学療法士の開業についてやいやい言うねん」

と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、色々感じたことがあるのでちょっと書かせていただきたいと思います。

 

理学療法士というのは柔道整復師と似た側面もあるもの、同じ医療系でありながら業界としての交流はあまりなく、正直私なんかは全然わからない世界ではありました。

そんな時にある理学療法士の方と出会ったのが始まりでした。

きっかけはこの記事「腰痛談義。」でした。
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当時京都大学の大学院で腰痛の研究をしていた理学療法士の福谷さんが、実際に治療院を開業しているベテランの治療家に色々お話を聞きたい、ということで当アカデミーで臨床歴もしっかりとあり、しかもただ単に時間を重ねただけでなく様々なセミナー等を受講し勉強研鑽も重ねておられる先生お二人に来ていただき、情報交換をしたのです。

そんな福谷さんとはアカデミー内で「腰痛ワーク」なるものを開催し、前半は福谷さんに海外の最新情報を提供していただき、後半は我々がそれぞれメインとしている治療法を福谷さんに提供するというものを開催したり・・・

酒を飲んだり

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※写真右の奥が福谷さんです。ちなみに写真右の手前の方は一人で戸建住宅を年間20棟売ってしまう猛者、左手前は日本一忙しいブログ集客専門コンサルタントの方です。

 

柔道整復師のことを知っていただこうということで、一緒に社団の近畿学術大会に行ったり

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やっぱり飲んだり(笑)

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してました(笑)

現在は「世界中から腰痛を無くす!」というミッションのもと株式会社BackTechという会社を立ち上げ、事業を開始させていただいております。
我がアカデミーも微力ながら色々とお手伝いをさせていただいております。

そんなこんなで交流を続けるうち、理学療法士の方々でも将来に不安を抱えているという人が多いということを聞きました。

全然知らなかったのですが、昔は理学療法士というのは就職してちょっと経てば年収1000万とか2000万くらいの収入になったそうなのですが、今は全然だと・・・・

しかも、あまり給料も上がらないとのことでした。

そんなこんなで、理学療法士の免許を取得した後に病院等で勤務したものの、将来を考えた時にあまり希望が持てないからということで独立開業を考える方も増えてきたということでした。

しかしながら、開業したらしたで上手くいく人いかない人という超資本主義な現実が待っています。

自営をするということは

例え少ないといえど生活はできる分くらいのお金が自動的に支払われ、なおかつ働かなくてもお金がもらえる仕組みの有休というものがあり、健康保険料も会社(病院)が約半額支払ってくれ、通勤や勤務中の怪我に保険までかけてくれ(労災)、しかも退職後の保険(雇用保険)まで面倒みてくれ、申告も年末調整だけすれば会社がやってくれ、国からは「給与所得控除」という最強の節税ツールを享受している

 

という最高の環境から、そんな一切合切をすべて全部自分でやらなければいけなくなるという茨の道を歩むということを選択することでもあります。

私見ですが、理学療法士の方って頭の良い方が多い気がするので、そういうことが想像できちゃうのでイマイチ開業にも踏み切れない・・・・という場合もあるのではないでしょうか?

 

また、現行の法律では整体院として開業することは理学療法士の免許を持っているということで「理学療法ができる」とはアピールできないので、せっかく国家資格を取得したにも関わらず、無資格の方々との競争になってくる、という点も、「資格持ち」という観点から考えるとなんだか抵抗があるポイントなのかな?などと勝手に想像しております。

 

また、最近は我々の業界と同じように「〇回2980円!」で客寄せしておいての回数券販売という、最大瞬間風速アゲアゲパターンも流行っているようで、結局のところその手法では継続的に売上を上げるためには新規を集め続けないといけないということと、チラシそのものの反応率は低下していくのでどんどんキツい煽り広告にしていく必要があり、結局この手法でやると整体院としては「いつまでチラシまき続けるんやろ」というところで不安に感じ、同じような人たちを対象にコンサル的なことをやり出すというパターンが多いと思います。

 

福谷さんから色々お話をお伺いしても、他に知り合った理学療法士の方とお話をしていても感じたことなんですが、理学療法士の方が整体院の開業して、単に短期的に売上を上げるという成功ではなく、10年20年開業した治療院を経営し続けることができるかどうかという点で、圧倒的に足りないものがあるんです。

 

それはいったいなんでしょうか・・・・?

 

 

実は、

 

 

 

「経  験」

 

 

 

なんです。

 

 

「いやいや、待て待て、俺は病院のリハビリ室で〇年勤務してきて、色んな症状に関わってきたぞ!」

「何を言うてんねん。俺は色々論文まで書いて臨床も〇年やって、今や病院のドクターからも相談されるほどやねんぞ」

 

などという文句が聞こえてきそうです。

 

 

それはあくまで理学療法士としての土俵内の話であって、もし開業するとなると、整体院やカイロ、鍼灸院、私のように自費メインの整骨院と同じ土俵でやっていかなければならなくなるわけです。

 

 

さて、ここで私の経歴を少しだけ書かせていただきますね。

 

初任給1万円の院で修業。
スタッフ3名ほどで1日120人以上来院する院でずっと働いてきました。
その後色んな意味で激しいエリアである西成区の整骨院で勤務。
1日200名以上来院する院で働き、分院長までやりました。
その後2005年に開業し、半年でスタッフ2名、15坪の院で1日80人ほどが来院する院を作りました。
3年ほど前に自費移行し、一度はどん底を経験するものの、V字回復を成し遂げ現在に到ります。
臨床歴なら21年、経営者として11年の経験があります。

 

さて、一方は例えば大学の理学療法の学科を卒業したとして22歳。
5年ほど病院で臨床をして27歳くらいでしょうか。

 

一度も、いわゆる「治療院」的なところに勤務したこともないまま、私のような経歴の人たちの中で治療院をやっていくことになります。

 

ある程度の経営のノウハウやマーケティング手法などは学ぶことで、知識として仕入れることはできます。
そしてある程度なら結果も出すことができます。

 

しかし、10年20年続けていくとするならどうでしょうか???

メッキは劣化してはがれていきます。
本物なら、毎日磨いていればずっと輝いていることができます。

そもそも、今まで実践したことがないことを、単に座学でだけ勉強しても結局のところメッキ加工をしたにすぎないわけです。

極論、多少座学的には足りなくても、身体が覚えているという方がよほど良い場合もあります。

私は19歳からこの業界で散々そういうことをやってきたわけです。
逆を言えば、私は病院のリハビリルームのオペレーションのことなんてわかりませんし、理学療法士が実際にどんなことをしているかというのは、福谷さんに教えていただくまでは運動療法主体で、例えばPNF的なことをやっていたり、歩行訓練の時に横について「頑張ってください!」なんて言ってるのかな位にしか思っていませんでした。

 

ちなみに、これは無資格の整体院なども同じで、整体師の方でも賢い人は我々の業界をしっかり分析しているかもしれませんが、ほとんどの人が

「整骨院=電気当ててもむ」

くらいにしか認識していないんじゃないでしょうか。

 

まあそういうとこもたくさんありますが、完全自費のうちの院は違います。
整骨院の良いところを残しながら完全自費にしているので、整体院とは全然違う中身になっています。

 

そう考えると、理学療法士の方が本当に整体院として独立して長くやっていきたいのなら、いきなり独立するということがいかに無謀かということがおわかりいただけるんじゃないでしょうか?

 

まあしかし、実際内情を聞いていると「たしかにキツいな〜」と感じるのも事実です。

 

まあ根本的な原因というのは、我々のように外部から理学療法士という資格を見た場合、どうしても

 

「整形外科の保険点数のために作られた資格」

 

と思ってしまうんですよね。
だからこそ今の苦境がある、とも言えるんじゃないかと思うんです。
もちろん理学療法士の方に何の責任もないのですが。

でもせっかく安定を求め、しかも自分が資格を取得する前の時代は資格取得後就職してかなり早めにそこそこの収入が得られると思ってた人たちからすると詐欺にでもあったようなもので、戸惑いも強いのではないでしょうか。

 

今後の理学療法士の道としては

①独立する

・福谷さんのように会社を設立

・整体院を開業

・デイサービスを開業

 

②雇用される

・病院勤務

・研究機関で研究員として勤務

・その他の仕事

 

という選択肢になってくると思います。
法を遵守するなら、理学療法という「業」は【医師の指示のもと】という制約があるため、理学療法専門施設というものは色々リスクが高いと思うので外しておきました。

 

そんな中整体院を開業する、を選択する際に、一度数年間は整骨院や整体院で勤務するという選択肢があってもいいのではないかとも思います。

 

 

ただ、どんな業種を選択するにしろ、独立する際に重要なのは「動機」です。

 

これは独立してからの「理念」にもなります。

単にお金だけが動機で独立した場合、ブレます。
これは色んな経営者を見てきて思います。

 

 

それでも私は、理学療法士の方って非常に勉強熱心で頭の良い方が多いですので、国民の健康増進のためには整体院としての開業という選択って全然悪くなくて、むしろ良いことなんじゃないかなとも思います。

それに資格の種類に関わらず、ちゃんと医療の国家資格を持った人が開業するという文化をもっともっと作っていった方がいいとも思っています。

 

実は我々柔道整復師も現在の理学療法士と同じような状態なんです。

 

我々が業界に入った頃は保険も緩くて、しかも制限もあまりなかった。
それにスタッフ雇用も「修業だ」ということで、私の場合は初任給1万円(月額ですよ)でしたし、少しずつ給料は上がっていきましたが、それでもそこそこ戦力になったところでも3万とか5万で働いていましたので、売上はたくさんあり、人件費が安いということで20年くらい前までに開業した人たちは今ほど努力せずとも稼げたと思います。

だからこそ経営のことなんて考えずに技術研鑽だけにフォーカスしていれば良いという環境でしたが(それすらしなくて稼いでいる先生もいっぱいいましたが)、いざ自分が開業する頃になると、人件費は高い、保険は厳しい・・・・と、「おいおい、話が違うやないか」という状況でした。

ただ、多分理学療法士の方々と違うところは、我々の時代柔道整復師を目指すということは将来自分の院を持つということが目標ということではないでしょうか。

 

まあ経営というのは資質もあります。
別に経営者が偉くて、雇われている人間は劣っているという問題ではなく、

「向き不向き」

というものがあるのです。
自分が経営者向きなんじゃないか、と思われる場合は理学療法士という資格だけに囚われずに、「自分に何ができるか」等を考えてみるのもいいんじゃないかと思います。

 

 

さてさて、今回は整骨院とはあまり関係がないようなお話でした。
しかし柔道整復師の先生方は考えてみてください。
今後、新たな競合となってくるかもしれません。

 

 

最後にお知らせです。

 

 

実は福谷さんがセミナーを開催します。
理学療法士の方向けのセミナーです。

なんとそこに私も呼んでいただき、治療院の経営のことや、柔道整復師業界のこと、今後の流れ等を今までの私の経験を踏まえてお話をさせていただくこととなりました。

今後の歩む道を模索されている理学療法士の方にとって良い材料になる内容にしていくため打ち合わせもしていっております。

開催は7月or8月を考えております。
詳しい日程等は来月には告知させていただくと思いますのでよろしくお願い致します。


投稿者: 正隆松村

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