こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
ちょっとブログの更新等がなかなかできずにいます。
今度行うマーケティング講座、完成されたテキストを見てゾッとしました。
悪用されたら終わり。それほどの出来になりました。
業界のためにも、むやみやたらに広げられるものではないと思うので、第2回をするかしないかも含めて検討していこうと思っていますが、そういう準備でバタバタして更新できませんでした。
さてさて。
私の場合、治療もですがそれ以外でも患者さんに教わることがとても多いです。
ま、これは治療家として現場に出ていれば当たり前のことなのですが、
「あ、今すげ〜良いこと教えてくれた!」
って気づくかどうかは感性の問題で、鈍い人は全然気がつかないということもあるとは思います。
私が自費に移行してから学んだことを備忘録的な意味合いも含め、ツラツラと書いていきたいと思います。
私の院の本当のミッション
開業当初から当院に受診してくださっている、看護師をされている女性の方が久しぶりに来院されました。
この方は、娘さん2人がバレエをしており、上の子は高校生、下の子は中学生の頃から、親子3人でずっと通ってくれているという患者さんでした。
「せんせ〜、やっと自費に変えたんや〜」
と言って、年末に送った自費移行のお手紙を見て予約を入れて来てくださったのでした。
正直、予約が入った時
「ずっと保険で7年も来てはった人やし、ちゃんと手紙読んでへんのとちゃうやろか?保険ちゃうんやったら治療受けへんとか言われへんやろか」
と不安でしたので、とても嬉しかったのを覚えています。
そんなこんなで治療しながら話をしていると
「先生開業した頃からいつかは保険やめて自費だけでやるって言ってたもんね〜」
と言われました。
すっかり忘れてた・・・・・
そうなんです、実は私開業当初から保険の違和感を感じ「将来は自費だけで」なんて思ってたんです。
それが開業して時間が経つとともに、変な経営コンサルに洗脳され、スタッフに任せて現場から離れることだけが正解かのように思い込み、開業当初の想いなんてすっかり消え失せ、いかに回転率を上げるかを考え、まるで幼稚園や小学校の先生や競技レベルも意識も低い運動部をそこそこ強くする時のようにモチベーションを上げるために朝礼をしたり、ミーティングをしたり、クレドを作って唱和したり・・・・そんなことばっかやってました。
理念もとってつけたように「すべては患者さまのために」なんて書いてました。
まあプロ意識のない、いや、独立心のないスタッフを抱え経営していくのならそのやり方自体間違いではないですが、そもそもプロというのは褒められることを嫌がる位じゃないといけないと思うのです。
できて当たり前、できなったら罪、それくらいの気概が必要だと思うのです。
ある意味で、少々やる気がなかろうがなんだろうが、患者さんと対話し、信頼関係を築き、治し、喜ばれていればそれでいいという世界でもあるわけです。
それがいつからこんな甘っちょろい業界になったんだと思うのです。
プロなら、調子が良かろうが悪かろうが、誰に何と言われようが、その日二日酔いだろうが、嫁さんの喧嘩して期限が悪かろうが、いつもと同じように、現在の自分の最高レベルの仕事して「当たり前」なんです。
褒めないとやる気が出ない人間は、プロとしての資質はないと思うのです。
「治療は試合だ」
私はスタッフが居た頃にずっと言っていましたし、私自身も今でもそう思っているのです。
毎日が真剣勝負。
しかも勝って当たり前。
負けたら言い訳できない。
どんなことがあっても勝ち続けなければならないというくらいの気概がないといけない。
だからこそ、私は絶対に無理をしないよう睡眠もしっかり取りますし、お酒も翌日休みの日以外はとんでもない飲み方はしないようにしてますし、食事も暴飲暴食のふりをしてますが、普段は糖質制限をしているのです。
開業当初はそう思ってたはずだったのに・・・・
いつのまにか自分の院を真剣勝負の場から、ヌルい、ゆとり教育の学校のような場にしてしまってました。
真剣での斬り合いのはずが、安全性ばかりを気にして、老若男女楽しめるスポーツチャンバラになっていたのです。(スポーツチャンバラを批判する意図はございません、例えの話ですのであしからず)
そう、この患者さんは超久しぶりだったんですね。
開業当初はよく来てこれていたのに、スタッフが増え、私の軸がブレだした頃から来院頻度が極端に落ちていたのです。
当時は「最近回数少ないな〜」なんて思ってたんですが、その理由がわかりました。
その患者さんも久しぶりだったのと、当時超ヒマだったのもあって色々昔話をしました。
その患者さんは専業主婦だった時に看護学校に通いだし、遅くして看護師になられた方。
仕事もそうとうの使命感を持って取り組んでおります。
今はホスピスに勤務されていて、終末医療に携わっております。
その勉強が講じて精神医学を学ぶため病院勤務をしながら大学院に通い、今年度で卒業ですが続けて学びたいということでまた違う院に行くというほどの熱心さです。
それゆえに医学的な根拠等も突っ込んで聞いてくることが多かったのです。
最初は腰痛で来られましたが、なぜ自分の腰痛が痛いのか、なぜその治療をするのか、治ったらなんでこの治療をしたら治ったのか、すべて細かく聞いてきました。
当時私は深く考えることなく、すべてしっかりと聞き、そして回答していきました。
その患者さんはその時のことをよく覚えていたようです。
「あの時、あちこち接骨院行っててんけど、私の質問全部に熱心に、しかも骨模型や解剖の本まで引っ張り出してきて答えてくれたところはなかってん。」
あ〜、そんなことしてたな〜、というか今もしてるな〜
「でね、その時に、この先生なら信頼できるって思ってん」
と言われました。
先述したように褒められることをあまり良しとしない思考なので嬉しくないということはないのですが、なんかやって当たり前のことで褒められるのがなんだか居心地悪かったものです。
「旦那は嫌いやから絶対ここには連れて来ないけど、娘はバレエやっててあちこち痛いって言ってたから、旦那以外はお世話になろうってその時決めてん。」
旦那さんカワイソウ・・・・
「あの頃はどこに行っても腰痛治らへんし、歳取ってから看護師になったから経験を補うのになんとか仕事頑張りたいのに腰が痛すぎて、仕事続けられるかどうか不安やってん。でもここで治してもらって仕事頑張れて、自分のやりたい看護も見つけられてん。全部先生のおかげやねん。でも、若い先生が増えた頃からなかなか先生に当たらへんし、やっぱり他の先生と松村先生は手が全然ちゃうねん。先生が治療してくれるんやったらむっちゃ安心やから自費治療にしてくれたのホンマありがたいねん」
と言ってくれました。なんだか、脳内で火花が散ったように思いました。
コレだ!!と思いました。
以前に読んでいた、岩田松雄さん著「ミッション」の中でも書いてあった
【火花散る瞬間】
です。
火花散る瞬間に価値が生まれるのです。
これは詳しくは「ミッション」を読んでいただければわかることなのであえてここでは書きませんし、上記セリフのどの部分で火花が散ったかもあえて書きませんが、この瞬間にすべてがわかったのです。
大して褒めるところがない時でもなんか褒めようと無理したり、注意するとき厳しくならないように色々考えたり、元々理系なので数字管理ばっかりしたり・・・
経営者を演じてた頃心のどこかで感じていた違和感、それは私自身全く火花散るものがなかったんです。
自分が火花散る瞬間は現場にあることを自覚しました。
マーケティングの必要性
実はこれも患者さんから教わりました。
自費に変えて、たまたま娘さんがネットで探して私の院を見つけて受診された当時75歳女性の患者さん。
膝のOAで、炎症がかなりありました。
ずっとゴルフをしていたそうなのですが、3年ほど前から膝が痛くなりはじめ整形外科にいきOAと診断、ゴルフを辞めるように言われたとか。
でもゴルフをしたいので、ずっとやっていたのですが、痛いから距離は飛ばない、コースを歩けないと、だんだんゴルフそのものが楽しくなくなってきたとか。
整形外科に行くと辞めろと言われるので、近所の整骨院を受診。
そこでも「ゴルフはもう・・・・」と言われ、また違う整骨院へ行くという整骨院ショッピングになっていました。
このブログは治療のブログではないので内容は書きませんが、正直この患者さんの膝を診させていただいた時に、整形外科は仕方ないとしてもなぜ他の整骨院の先生は治すことができないのかわからないくらいに簡単なものでした。このあたりからでも、業界のレベル低下を感じずにはいられません。
結果だけ書きますが、3日で痛みはなくなり、私の院を受診した日の翌週にはゴルフを楽しんでおられました。
もちろん痛みがなくなるのと、痛みが出ない状態が続くことはまた違いますのでそこからも継続して治療を続けました。
その方はとても喜ばれ、隣りの芦屋市の知り合いで腰痛と足のしびれで寝込んでいる方やご自分の家族や親戚、大阪や神戸に住む友人、ゴルフ仲間みんなにクチコミしていただきました。
私がお礼を言うと
「先生、こんな良い院ちゃんと宣伝せなあかん!うちの近所にこんなええとこあるなんて思ってもみいひんかったわ。みんなとっても悩んでるんよ。特に私らくらいの歳になるとあっちが痛いこっちが痛いってどこか悪くて、あそこの病院はどうや、あっちの接骨院はこうやってそんな話ばっかりやねん。私らインターネットなんてせえへんから全然わからへんけど、ホンマ娘に感謝やわ。この院をもっと知ってもらうために宣伝せんと、私みたいな人が救われへんわ。だからもっと宣伝して」
と言われました。
その頃はまだマーケティングという言葉を知りませんでしたし、なんとなく宣伝するってことは煽り言葉のチラシ作ったり、キャンペーンみたいなのせなあかんから嫌やな〜としか思ってなかったのです。
ウソをついてまで宣伝するのはイヤ、そう思ってました。
まあこれは今でもそう思っていますが。
すると
「先生、そりゃ先生職人やからそうやと思うわ。ウソなんてひとつもつかんでええやん。うちも商売してるからわかるけど、値引きなんてしたら商売苦しなるだけで、長い目で見たら絶対せん方がええし、良いものを提供するんやから、そのままを宣伝するだけでわかってくれる人は絶対いるよ」
と言われました。
そう、その後なんです、私が、というか嫁さんがテレビで神田昌典という人物を知るのは。
ちょうどそのころ嫁さんが「勝間和代さんってすげーなー」と思ったりしてたらしく、私が高校柔道部の先輩でOB会長をされている方に誘われて飲みに行っていた時に、嫁さんが家でたまたまテレビをつけたら勝間さんが出ていたそうで、そのまま見てたんです。
その時に、お世話になった方にお礼を言うとかの企画で、神田昌典さんが出演していたのを見て、飲んで帰ってきた私に「神田昌典って知ってる?」って聞いてきたのが始まりなんですね。
そう考えると、脳内のどこかに「宣伝せな」っていう意識があり、その意識に引っかかった結果引き寄せたのかもしれません。
このエピソード、神田昌典氏に直接伝えたら「やっぱりテレビは凄いね〜」なんて感心されてましたが(笑)
あ、ちなみにこの患者さん、膝は綺麗さっぱり良くなったので治療は卒業されていたのですが、つい先日2年ぶりに私の院を受診されました。
お孫さんと遊んでいて(元気ですよね〜)、駐車場の車輪止めにつまずいて転倒し、手をついた時に右第4中手骨を骨折されたのです。
骨折自体は整形外科に行って整復してもらい、固定をしたそうなのですが、固定除去後もしびれが取れないということで来られました。
今回は膝のように3日で・・・とはいきませんでしたが、ネットに苦手と良いながらiPhone6sを持っていてビックリしました(笑)
まとめ
患者さんから教わったことはまだまだありますが、長くなるので今回はこれくらいにしておきます。
ですので次「2」をいつ書くかわかりませんがシリーズという形にしておこうと思います。
今でも患者さんから色んなことを教わります。
このブログをお読みの柔道整復師や他の治療家の先生も、ただ単に治療を提供するだけでなく、もっと密にコミュニケーションを取ってみましょう。
そもそも、患者さんが院を選んだ理由や継続して通ってくれる理由、クチコミしてくれる理由色々と聞いてみても良いと思います。
答えは私や経営コンサルが持っているわけではありません。
すべて患者さんが持っているのですから。