こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
私は「月商〇〇万」とかのキャッチコピーが大嫌いだ。いきなりですが。
「月商100万円になる治療」とか「月商300万になる方法」とか、色々ありますが、大嫌いだ。
なんだかとても下品だと感じるのは私だけだろうか?
もちろん、お金はある方が良い。
それは当然。
ただ、「お金がある」という状態って、いったいいくらになったら「お金がある」というのだろう?
例えば月の収入が100万円の先生と200万円の先生、果たしてどっちが幸せなんだろう?
「そりゃ200万やろ!」
数字だけしか見ないならそうだろう。
もし同じ坪数の院で、同じベッド数で、同じ一人院で、同じ労働量なら、そりゃ200万の方がいいに決まってる。
しかし、「俺は1日に診る人数は〇人でええねん」って先生なら、100万でも十分と思うかもしれない。
お金がないのはダメなことだがが、どれだけ欲しいのかは個人それぞれだと思う。
『儲けるは欲、儲かるは道』
これは私の好きな言葉のひとつだ。
たまたま開業する前に、コーナンに買い物に行ってた時に、額縁を売ってるコーナーの前を歩いていて、売っている額縁の中に入っていた紙に書いてあった言葉で、当時開業前で借金4000万くらい抱えていたので、正直不安な時期でもあったが、この言葉を見て、何だかよくわからないが「ハッ」とさせられたのを今でも覚えている。
超簡単に解釈すると、儲けるというのは短期的な稼ぎのことで、儲かるというのは長期的な稼ぎという風に捉えることもできる。
儲けるのは簡単。
チラシまけばいい。
値引きでも、無料体験でもなんでもして、オファーをかけるという名の甘い囁きで、人を集めればいい。
で、なんだかんだ理由をつけて、最低〇回来いとか、回数券買えとか、会員制がお得だから入会せえとか言えばいい。
まあどれだけ下手でも1回目に100人来て、全員が2回目来ないとか、回数券買わないとか入会しないとか、そんなことはない。
あとは営業トークを磨いて、成約率を上げればいい。
そこに治療技術は影響しない。
この方法、人としてちゃんとしている先生が取り入れれば、上手くバランスを取って、収益もあげつつ、途中から方法等を変えて儲けるから儲かる仕組みにシフトしていくんだけど、それこそ欲に目がくらんだ先生はそれができないから、いつまでも同じことをやっちゃう。
なぜ、目がくらむのか?
お金を追いすぎて、良心が無くなるからだ。
普通の治療家なら、自分の技術に満足しない。
もっと上を目指す。
すると、自分は未熟だと思うから、こんな未熟な私の治療を受けて、しかも喜んでくれてありがとうという想いも出てくる。
しかも、患者さん自体が勉強材料のようなものなので、我々はお金をいただいて勉強しているようなものでもあるわけだ。
もちろん、「今の自分の能力で、できる限りのことはやってなんとか期待以上のものを提供するんだ」という意気込みもある。
そういうのって、良心だと思う。
だからアカデミーでは、今どれだけ売上が悪くても、いや、売上が悪いからこそ、その先生の院、その先生の人となりが医療機関として、医療人としてふさわしいであろうと思うまで、安易に売上を上げる方法は教えない。
そもそも、売上が悪いというのは、その先生、その院の何かが悪いからだ。
要するに、地域の患者さんに「嫌だ」と言われてるわけで、そんな嫌がられている院を宣伝するなんて、私の良心が許さないし、そもそも、その先生に良心があればまず自分を変えようとするはずなのに、自らを省みずにノウハウばかり求めるのは甚だ疑問でしかない。
もちろん、そういうのが嫌で去っていった先生もいる。
相性もあるとは思うが、私がこのアカデミーをやっている一番大きな理由は、柔整業界の適正化なので、質の悪い整骨院はまず質を良くしてから売上を上げる・・・というか、本来はそういう、当たり前のことが当たり前にできる、人に迷惑はかけない、そういう人じゃないと開業できないものなのだが、そういう人としての基礎教育ができてない、実年齢じゃなく、精神年齢が低い先生が開業してしまっている時点で、その精神年齢を引き上げることなく、売上だけを伸ばしてしまうと、調子に乗ってしまって、下手すると経営セミナーとかやり出しかねない。もしそんなヤツが経営セミナーをすると、経営セミナーなどと銘打ちながら、結局その場限りの売上UPノウハウしかネタがないからそればっかり言うのだろう。治療のことは「その場限りの治療はしません」とか言いながら。
だから私はそういう人間にはノウハウを提供しない。
私の知ってるノウハウは、それなりに強力だから、諸刃の剣になるからだ。
もし売上が伸びず潰れたんなら、それまでだと思う。
資質がなかっただけ、開業してはいけない人だっただけ、そういうことだ。
それに、人は本当に追い込まれた時に、変わろうとする。
自分がいかにダメかをわからないといけないと思う。
精神年齢の低いやつは、自分を追い込んだこともなければ、追い込まれたこともない甘ちゃんが多い。
そういう点では、野球で甲子園に出たとか、柔道で強化選手だったとか、スポーツは強い。
ただ部活で楽しくやっていたんじゃなく、血のションベンを出し、ゲロを吐き、一心不乱にそれだけに打ち込んだ経験のある人間は強いと思う。
そういう部活を経験しなくとも、人は一度や二度は追い込まれないといけないんだと思う。
そうすることで、自分で自分を評価することの愚かさもわかるし、痛みを知ることで人に対して優しくなれる。人に要求する前に自分から提供するような人になれる。
そういうのができない、良心もない、礼儀礼節もわかってない人間が開業すると、そのあたりからたたき直す必要があるのだが、そういう人間こそ自分を過大評価してるのでたちが悪い。
潰れりゃいいのになと思うのだが、いわゆる「儲ける」系セミナーも多いので、なかなかどうして潰れてくれない。
ま、なんにせよ私はそういうしょーもない人間が嫌いだということだ。
それとは逆に、私は自分の利益の前に、患者さんのことを考えてしまうとか、なんとなく申し訳なくて数千円というお金が受け取りにくいとか、自分の若さ、未熟さを自覚していて、いつまでも勉強しようという意欲のある先生とか、私は大好きだ。
そういう先生といつまでも共に勉強していきたいと思うし、私でできる助けならなんでもしたいと思う。
そして、そういう先生こそ、今この業界で発展繁栄していかなければならない先生なんだと思う。
ところで話は変わるが、経営とは、継続して営むと書く、当たり前だけど。
例えば開業して3年や5年で、継続したと言えるのか?
例えば開業してすぐに月商300万になったとする。
5年継続したとして、1年3600万なので、5年で1億8000万ほどの売上になる。
調子に乗って、売上や月商のことを豪語する奴らよりも、私の10年トータルの金額の方が余裕で上だ。
まあ、金額までは公表しないが、一人院の私レベルの院でもそれくらいの金額になってんだし、商売は10年もつかどうかが重要と言われてるので、まだ10年に満たないということは、今どれだけ売上があっても、今後どうなるかわからないのにあまりエラそうにするなよと言いたい。
ちなみに、私はたかだか10年だが、良いこともあったが、悪いことも色々あった。
それは金銭的なことだけじゃなく、精神的にきついことも多々あった。
正直、辞めたくなることもあったが、借金がそれを許さない状況なので踏ん張れたという時もあった。
困難のない人生はないのだ。
重要なのは、波に乗っている時に得意になってオラオラ言うことではなく、困難にぶち当たった時にどう乗り切るかだ。
「それでも値引きする?」の記事で書かせていただいたが、ドラッガーはマーケティングを
「顧客というものをよく知って理解し、製品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること。」
と定義している。
まさに儲けるじゃなく儲かるということだ。
要するに、亀の歩みでもいいから、儲かる整骨院を作ることでが重要で、そのために大事な要素はノウハウ的なものよりも、良心を持ち合わせているかどうかということになるのではないかと思う。
私は、法を犯してはいけないのは至極当然なことととして、その法を遵守する上に良心を重ねるということが重要なんだと思う。
例えば回数券。
これが本当に患者さんのためになるのであれば、回数券という仕組みは大正解だ。
でも、「先払いの方が儲かるって神田昌典も言ってたし、先に現金入って資金繰りもやりやすい」という動機であるならば、それを良心の呵責もなくできる先生は私はクソだ。
確かに自費治療の場合は、回数券だろうが、会員制だろうが法の縛りはない。
でも、患者さんのためじゃなく、自分の収益のための仕組みなら、それは患者さんを騙していることになる。
立派な詐欺だ。
また、それだけじゃなく、大した技術、経験もないのに、まるでゴッドハンドかのように喧伝するのもどうかと思う。
あまり若くして名人達人級だと喧伝するのは、嘘か真かというと、ほぼ嘘だ。
そんな嘘を堂々とつけるのは私はクソだと思う。
これはスタッフ雇用でも同じだ。
いくら自費でやっているとはいえ、免許もない、スブの素人に少しテクニックを教えて、「当院は身体を根本から改善する」などと喧伝するのは嘘八百だ。できるはずがない。
こういうことをしている先生たちには、良心はないのだろうか。
もし本当に平気でできているならサイコパスだ。
とうてい私にはできない。
私自身、自分の治療技術に満足できているわけではないし、日々発見がある。
だからいつまでも足りないと思う。
なので、「俺はなんでも治せるぜ」なんて口が裂けても言えない。
もちろん、一定の症状によっては、かなりの再現性で結果出せる技術は持っている。
しかし、それにしても100%ではない。
だからこそ、なぜ通用しなかったのかを考える。
その際、私が参考にするのは、治療のテクニック本ではなく、解剖学の本だ。
もちろん、本物にはかなわないが、数冊読むと意外に精度が上がったりする。
ただ、ずっとそうやってきたという自負はある。
だからこそ、今私は自費専門院をできているのかもしれない。
これは当アカデミー会員のベテラン勢の先生方も同じだと思う。
だからこそ、いつまでも謙虚でそして良心があるから、自分のことをゴッドハンドだなどと言うことができないのだ。
だが、それが良い。
下手にマーケティングを勉強すると、「自院の強みを引き出せ」などといって、それで勘違いしてしまう人間もいる中で、良心を持って人と接することのできる先生は財産だと思う。
良心を持ち、その良心という本来は良い面が邪魔をして自費治療を導入できない先生にこそ、私はその良心を持ち続けたまま、自費治療導入を成功して欲しい。
そういう、日々良心の呵責に耐えながら、保険制度のジレンマにストレスを抱えながら、それでも一生懸命患者さんと向き合っている、そんな本当に良い先生にこそ、アカデミーに入会していただきたいと思う。
願わくば、良心のない先生はこの世から消えて欲しい、とも思う(笑)
そんな整骨院自費導入アカデミー、実は来年に第4期生会員の募集を開始します。
そしてそれに先立ち、12月には色々やりますのでご期待ください。