なぜ、リピート率が上がらないのか?

こんにちは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

さて今回は、2回リピート率が悪い先生にぜひとも読んでいただきたい内容です。
あ、ちなみにですが2回リピートなんて、普通にしてりゃほぼ100%です。
「ほぼ」というのは、あまりにも院と合わないので、こちらから次回予約をなるべく入れられないように仕向けるということがあるからです。
しっかり計測したことはないですが、うちの院でも2回リピート率は95%以上だと思います。

もしかしたら、耳が痛い内容かもしれませんが、今リピート率に悩んでおられる先生はぜひとも素直な心を持って、最後まで読んでいただければと思います。
ちなみに、これは保険も自費も関係ありません。
保険でリピート率の良い先生は、自費に切り替えた際、最初は少し落ちることはありますが、要領を得ていけばすぐに踊ります。

 

さてまずこう言いたい。

 

「自由をはき違えるな!!」

 

と。

 

さて、それはどういうことでしょう?

リピート率が悪い先生とは?

私は、開業してもうすぐ11年になりますが、開業当初、さして大した努力もせずにそこそこ流行っている院を作ることができました。

「10年前やったら、まだ甘い時代やろ?」

と思われるかもしれません。

しかし当時、すでに私の院の隣りの町に整骨院が4軒、整形外科が3軒ある状態でした。
そのうち私より先に開業していた院が2軒無くなりました。
私より後に1軒開業しましたが、半年で無くなりました。
また、時代が違うということを私は否定しませんが、残念ながら、労働者の権利をしっかり与えられ、たくさん給料をもらって育ち、マニュアルを与えてもらい、親切丁寧に仕事を教えてもらい、外傷を診ることなく育ったような柔整師には、生まれ変わってもさらさら負ける気などしません。
私は開業して5年間は、「どんなことをしても、まずは売上を上げて安定させる」と決めておりました。もちろん、「どんなことをしても」とは言っても、法に触れるようなことはせずにという前提です。

さてまあ、なぜこんなことを書いたのかはまた後でわかるので、まずはどんな先生がリピート率が悪いのでしょうか?
大きく分類すると、2種類のパターンに分けることができるのではないかと思います。

・そもそも、開業してはいけない人格の持ち主だった

これはもう終わっております。
救いようがありません。
いわゆる、人間性に問題があるので、大人になってしまってからは治しようがないのです。
自分より上の人間には従順、自分より下の人間には尊大な態度を取るだとか、そもそも人間嫌いだとか、自分に甘く他人に厳しいとか、怠惰すぎるとか・・・・

アカデミーをスタートさせてから、会員の先生以外からも相談を受けることがたくさんありましたが、少ない確率ではありましたが、そういう先生が存在していることに驚きました。

あ、「患者さん診ててもなんも面白くない」などとほざいた先生もいましたね。

このような先生はダメです、本当に。

こういう先生については、これ以上書くことなどありません。
だって、改善しようがないですから。
その地域の方々のためにも、なるべく早く廃業した方がいいのですが、こういう人間に限って自分に対しての評価が異常に高いものですから、廃業せずにジタバタして、余計に地域の方々に迷惑をかけるんだから困ったものです。

・『下手に』治療にこだわりすぎた先生

多いのがこちらのタイプの先生です。
まず、治療の勉強が好きです。
多分、学生時代や勤務時代から、できる限り治療のセミナー等に参加していたのではないかと思います。
そしてその結果、自分の働いている院のやり方が気に入らなくなります。
治療にも自信が出てきます。
勤務している院の中では、エース級になっていたと思います。
経営者、院長からしても、信頼できるスタッフだったのではないかと思います。
ただこういう先生は、治療を勉強すればするほど、自分が勤務している院の方針と合わなくなってきます。
何か新しい治療法を試そうとしても、「他のスタッフができないからダメだ」とか「時間がかかりすぎるからダメだ」という形で、治療そのものは否定されることなく、経営者、院長にブレーキをかけられた経験もあると思います。そこそこ流行っている院ならなおさらですね。
そんなことを繰り返すうちに、経営者、院長からは少し疎まれる存在になってきたりします。
で、そのうちに

「もっとこうやった方が患者さんは早く治るのに、経営者・院長は金儲けのことばっか考えてる」

「くそっ!開業したらこんな制約なくなるのに!」

と考えるようになります。

「開業して、自分の好きなようにやって、そして患者さんを治したい!」

強くそう思うようになります。
そしてその思いが時間とともに強くなり、とうとう我慢できなくなります。
そしてその強い思いがエネルギーを原動力に開業していくのです。
そこからすでに方向性を間違えていくのです・・・・

流行っている院には、それなりの理由がある

・公式

実は私もそういう思いを元に開業した部類の人間です。
私が最後に働いた院は、副子系の固定具材はおろか、巻軸包帯どころか弾性包帯まで置いてないような院でした。

「なんやこの院は!!ここは間違ってる!」

ずっとそう思いながら働いてきました。

ミーティングは治療技術のことなど一言もなく、ただ「患者さんに明日も来てもらえるような面白い会話をしろ」「近いんだから新喜劇観に行ってトークの勉強をしろ」「調子は聞くな」等、今でもありえないなと思うようなことばかり言われていました。

しかし流行っていました。
1日に来る人数は多い時は200人を超えていました。
私は割り切って、売上の上げ方を勉強しようと思いました。

実は私、柔道ばっかしていた柔道バカではあるものの、理系人間なんです。
入った大学は「大阪工業大学」です。
工学部土木工学科でしたので、授業は力学、コンクリート工学、測量学、微分積分などなど・・・
毎日数式と戯れておりました。
理系の利点は、すぐに公式化できること。
当時、自分が働いていた院が、なぜ流行っているのかはわかりました。

「まず安い。そして予約なんぞ面倒なことをしなくても、いつ行っても待つことなくマッサージが受けられて、なおかついつでも開いてるから気軽に来れる」

これでした。
大阪市内でもバリバリの下町で、大阪人気質丸出しのところです。
同じものならなるべく安い方がいい。
「まけてぇな」「やすぅしてえな」などと院内でも言ってくる・・・・
要するに、「言ったもん勝ち」「やったもん勝ち」。

そのニーズにことごとく応えておりました。
受付時間は夜の8時までですが、8時を過ぎても患者さんは平気な顔して来ます。
「まだいける?」
そう言う人はまだマシな方ですし、最初はそう言いながら来ていた人でも、何度も受け入れるうちに当たり前のように入ってくるようになりました。
あ〜、書いてるだけで当時を思い出してムカつきます(笑)
そうやっているうちにどんどん遅くなり、最後の患者さんが帰るのはいっつも夜10時とか・・・

で、そこからミーティングで「新喜劇観に行け」とか「なんで俺があそこでボケたんをツッコまへんかったんや」とか、芸人のようなダメ出しを受けるわけです。
いや〜、我ながら当時よく暴れず事件を起こさなかったものだと思います。

かなり話がそれてしまいましたね。

その院が流行っているのは、患者さんのニーズ、たとえそれが度を超したワガママだとしても全て受け入れる、そしてその受け皿になれるように院を作っているということでした。

ハード面

私が勤務していた院は、当時としても相当多い方だったと思います。

もちろん、広さ、ベッド数などを見ても、今でもかなり大きい部類の院だったと思います。
田舎なら地代も安いですしそこそこの規模の院ができますが、大阪市内ですからね。
そして当時から昼休みなしで開いてました。
そしてローラーやWAなどの機械。
要するに、ベッド数と機械で、患者さんが入ってきたらすぐにベッドで電気を当てるか機械に乗ってもらうかして、絶対に待たせないという流れを作ること、これがとても重要でした。

ソフト面

そして上の立場の先生が行う「誘導」という、一種のオペレーション。
これがまた凄い。
何番のベッドにどの患者さんを入れ、そしてその患者さんにどの先生を当てるか。
その患者さんがどんなニーズで、どれくらい時間がかかるかということと、スタッフがだいたい何分くらいでマッサージが終われるかということを頭に入れておかないといけません。
なおかつその曜日の時間帯によって、「もうすぐ混んでくるかも」「今日は少しややこしい人が来る日だ」等も計算して誘導していきます。
この能力は見ていて凄いなと思いました。
この「誘導」ができるようになれれば、自分の院でも役立つのではないかと思い、その法則をも見つけ出そうと毎日誘導する先生を見て、勉強したほどでした。

当時の流行っている院の作り方の法則は全て勉強することができた、と今でも思っていますし、この法則は今でも少し応用すれば通用するでしょう、保険なら(保険の事情は抜きにしてですが)。

自由をはき違えるな!

さて、一番最初に言わせていただいた言葉ですね。
一体どういうことでしょうか?

せっかく開業したにも関わらず、思うようにリピート率が上がらない先生は、人としてダメなタイプと、「下手に」治療にこだわりすぎた先生だと言われていただきました。

なぜ、「下手に」と書いてあるかおわかりでしょうか?

治療云々を抜きにすれば、流行る院には流行るだけの理由や法則があるということはすでに書かせていただきました。
「下手に」治療にこだわりすぎた先生の場合、何を評価するにも治療基準になってしまいがちです。
もし、あなたが勤務していた院が流行っていたのなら、それには間違いなく流行る理由があったのです。

先述したように、私はまずしっかり売上を上げる院を作ろうと思いました。
いくら綺麗事を言っても、潰れてしまっては意味がない。
自分が働いてた院が間違っていたということを証明するためにも、まず自分が潰れるわけにはいかないと思いました。
私が行ったことは、ある程度のマニュアル化でした。
治療もそこそこ決められた時間で、そこそこ同じことをする、そして、受付にいたってはバッチリとマニュアルを冊子化までしました。
そしてオペレーションをしっかり作り、空いている時も混んでいる時もなるべく同じ質のものを提供できるように心がけました。

するとどうでしょうか?

自分のこだわった治療など、できるはずもありません。
こちとら、当時経験10年。
スタッフは1年とか3年。
身長と同じです。
身長は高い方は膝を曲げたり、かがんだりしてすぐに低い人に合わせることができますが、高い方に合わせるには台がいります。
技術レベルに「台」はないので、私がスタッフのレベルに合わせるということになりました。
もちろん、だからこそ底上げのために毎日練習をさせたり、勉強させたりしていましたが、経験だけはすぐにカバーできるようなものでもありませんので、私は上がっていく売上を見ながらも、素直に喜べない状態でもありました。
しかし、売上のために我慢しました。
もちろん、「患者さんのために最高の治療を提供できない」というもどかしさはありました。
でも、我慢したんです。
「私が」ではなく、「当院が」最高になるようにしよう、それまでは我慢、そう思いました。

そして、まずは「超美味い飲食店」ではなく、「安価で、敷居が低く、そこそこ美味しい飲食店」を目指すことにしたのです。
ただし、絶対に忘れなかったのは専門家としてのこだわりでした。
うちは医療機関だとスタッフにも言い続けました。
これは勤務時代に院長(経営者)から「うちは年寄り相手の水商売やから」と言われ、非常にムカついたのをずっと覚えていたからでした。
別に水商売を卑下するわけではなく、我々とは種類が違うと思っていたのです。

なので、先ほどの例えでいうのなら

「高級和食専門店」

ではなく

「安くてそこそこ美味い和食の居酒屋」

を目指したのです。
洋食好きや中華好きはよそに行ってもらってもかまわない。
でも、和食好きなら全員来んかい!と思ってました。
ですので、受付時間外は急性外傷以外は断る、ニーズとワガママをしっかり判断するということだけは忘れませんでした。
昔、「にんちゃん、とりあえずもんでえな」というおっさんをブチギレて追い返したこともあります。
うちは和食屋ですので、「スパゲッティください」というオーダーにはこたえられないので。

譲れないところはあります。
そして、いくら売上を上げるのが目標とはいえ、悪いことをしてもいけません。
でも、それ以外はとことん譲歩してもいい、いや、しなければならないのです。

その譲れないものが、「下手に」治療にこだわりすぎた先生は間違って設定しているのです。

間違ったこだわり

間違った設定とはどういうことでしょうか?
それは、「治療方法」を基準にしてしまっているということです。
これは、遠隔治療にこだわりを持っている先生にありがちです(もちろん、そうじゃない先生もたくさんおられるのは知っておりますが、今は開業したての経験の浅い先生の話ですのでご理解くださいね)。

こだわらなければならないのは、本当は

「いかに患者さんを治すのか」

ということだと思うんです。
未熟だと治せないかもしれない、治すのに時間がかかるかもしれない、だから治療の方法、いわゆるノウハウを勉強していくはずなんです。

想いがあって、それを形にするためのものが方法なんです。
その方法に固執している限り、あなたの院の売上が上がることはないのです。

柔道現役時代の私の経験

実は私は、治療法自体にはあまりこだわりがありません。
ボキボキする矯正でも、ソフトな矯正でも、する先生が上手なら問題ないですし、遠隔治療だろうが、患部を触りまくろうが、患者さんが楽になる、患者さんのニーズに応えることができるのならそれでいいと思っております。
なぜ私がそう考えるようになったかと言うと、私自身柔道をしてきて、膝や足首等靱帯や軟骨系はそうとうボロボロですし、頭から落とされて首を痛めたり、練習のしすぎによる腰痛で、あちこちの病院や接骨院、カイロ、整体等にいきました。

ある鍼灸院に行ったところ、腰が痛くて右足にしびれがあるって言ってるのに、ベッドで寝ることもなく、立たされたまま前屈させられ、その後、足の甲に鍼を打たれ(太衝という経穴でした)、ガンガンに響かされた後にまた前屈させる、そして「どないや、痛みマシになったやろ!」と言われ、「いえ、全然です」と言ったら、また太衝に鍼をされ、ガンガン響かされ・・・・
を繰り返し、最後は根負けして「楽になりました」と言って、帰ったことがあります。
たしか1万円くらいとられました。
またある整体院では、私の足の痺れは背骨のゆがみが原因だと言って、散々全身ひねり倒されてボキボキされましたが、何度通ってもまったく良くなることなどありませんでした。
でも、どこも結構流行っていて、評判の良いところなのでクチコミで言ったのですが、治療を終えた時の感想は「あ〜、失敗した」でしたので、リピートすることなどあり得ませんでした。
最終的に、トリガーポイント的な治療をする院に行き、そこでかなり楽になったのですが、今度は外傷の時には全然良くならないという状態・・・・

中学生の頃から「将来は接骨院の先生になる!」と決めていた私は、すでに高校時代から「なんでも効く北斗神拳のような治療なんてないのでは?」という疑問を持っておりました。

ノウハウをおしつけるな

私自身、上記の経験から治療を押しつけてくる治療家が嫌いです。
なので、すぐに「僕は〇〇療法と□□整体を勉強したんです。先生は何を勉強したんですか!」などと聞いてもいないのに言ってくる治療家が嫌いです。

そして私が「この先生凄いな〜」って言う先生のほとんどが、色々な治療法も学ばれ、それを自分の経験と照らし合わせて考え、上手く自分の治療の中に融合しております。

プロならば、結果を出さなければいけません。
プロ野球選手は、結果を出さなければ「戦力外通告」を受けます。
いくら、

「いや、待ってくれ!俺の投球フォームにはこだわりがあって、たまには絶対に打てないコースに球を投げることができんねん。ただ、そのフォームをコーチや監督がわかってくれないから結果が出ないねん」

などといくら言ってもダメなわけです。
そもそも、そのフォームで結果が出ていないのですから、本来ならば変なこだわりは捨てて、一度フォームを見直していればよかったのかもしれません。
実際にイチローも振り子打法をやめています。

我々もプロなので、治療法にこだわったところで、患者さんが体感できない、納得できない、そして通わないから治らないのであれば、その治療法は封印するべきなんです。

自由の弊害

さて、ノウハウに強いこだわりを持ってしまった先生が開業するとどうなるのでしょうか?
そもそも、自分が良いと信じている治療法を勤務先の院でやらせてくれないということが理由での開業になることが多いわけです。
「俺ならもっとこうするのに」「痛いとこもむだけのしょーもないレベルの治療させやがって」「俺なら患部に一切触らず治すのに」などなど、負のオーラ満載で開業に臨みます。
が、それがすべて悪いわけではありません。
怒りのパワーは凄いものがあるので、短期的にはそのパワーを利用してガンガン行くというのもアリです。
しかし、方向を間違えると、下手にパワーがあるので、間違い方もハンパない間違い方をします。

で、開業すると、もうあなたを制限するイヤな上司や経営者、院長などは存在しません。
好き放題できるわけです。

自分のやりたい治療を、やりたいだけ患者さんにできるわけです。
あなたはようやく自由を手に入れたと勘違いします。
そしてその勘違いが、弊害を生み出していくのです。

弊害その①:治療時間

治療時間にとやかく言ってくる上司も経営者、院長もいません。
その場でなんとか「痛み」だけをなんとかしようと、私の経験談の中にあったようなことをしだします。
私の場合、かれこれ40分くらい治療されたのですが、40分も太衝に鍼を打ち響かされ続けた地獄を想像してみてください。
イヤな治療は1分でも受けたくはないです。
でも、自分は良いと信じているので、結果が出ないとなぜ出ないんだということになり、どんどん患者さんに治療を押しつけていきます。
そしてそれでも痛みがなくならない場合、

「あの身体は相性が悪い」

「あの人は鈍感だ」

「あの人は痛いところを触られたがってるだけだ」

などと、患者さんに責任転嫁をしてしまいます。
被害にあった患者さんは、二度とあなたの院を受診することはないでしょう。

弊害その②:コミュニケーション

治療の説明をするのも、どんな検査、問診をするのも、あなたは自由です。
話し方や検査法にケチをつける上司、経営者、院長はもういません。
あなたの院なのですから。
方法にこだわる人は、患者さんがその理論から逸脱したことを言ったりしたりするのをものすごく嫌う傾向にあります。

「〇〇なんてしてるからいつまでも治らないんですよ!」

「そんなんしたらあきません!」

「1回で治るわけないじゃないですか」

「最低でも3回は受けないと治りません」

「あんな治療法で治るわけないじゃないですか」

などなど、患者さんを否定し出します。
あなたの院なので、正しいのは全部あなた、間違っているのは全部あなた以外、そんな状態になります。
ですので、患者さんは何もしらないトーシローで、バカで、何もわからない奴らだということになります。
常に上から目線でのコミュニケーションになります。
ドMな患者さん以外は、絶対に嫌になります。
そんなドSなあなたについてくる患者さんは、そうそう多くはありません。
ただ、面白いのは(面白いと表現するのは不謹慎ですが)、ドMな方というのは(あくまで精神的な意味で)ゼロではないので、売上もゼロではないということです。
ただ、そういうドMな方ほど、「明日〇〇があるので、なんとか今日中に治してください!」という感じで、すがってくる方も多いです。
あなたが北斗神拳の伝承者なら、ドSキャラで突っ走っていってもいいですが、トキですらあんな感じですから、やはり次にその患者さんが受診される可能性は低いでしょう。

弊害その③:孤高の戦士気取り

治療法だけにこだわりを持つそんなあなたの脳内は、今まで治療法という物差しでなんでも判断してきたことでしょう。

「こんな治療法では治るものも治らない」

「ボキボキするなんて暴力的で野蛮な治療法だ」

「この治療法の良さをわからないなんてクソだ」

「この治療法で体感できない患者は身体が鈍感でバカになってる」

などなど・・・・
その物差しで生きていることで、たくさんのストレスに悩まされてきたことでしょう。

「うちの院ではその治療はするな」

「他のスタッフに迷惑だ」

「それ、ホンマに効くんか?」

などなど・・・・

あなたは、その度に

「世の中バカばっかりか?」

「俺を理解するレベルではないな」

などと思ってきませんでしたか?
そういう経験から、もはやどんな事象であっても、

「あいつは俺をわかっていない」

「俺は自分の信じる道を突っ走るんだ」

的な、孤高の戦士を気取ってしまいがちになります。
悲劇のヒーロー、ヒロイン思考の場合もありますが、まあ似たようなものです。
グレた中学生的思考と言ってもいいかもしれませんね。
そんな思考は態度に出ます。
開業したあなたは誰に制限をかけられることもありません。
患者さんに対しても、いつのまにか尊大な、もしくは冷たい態度を取っていることでしょう。
やはりドMな患者さんしか残らないでしょう。

弊害その④:閉じ籠もる

そんな孤高の戦士のあなたは、自分を理解してくれる同業、患者はレベルの高い人、自分を理解しない同業者、患者はクソだと思い始めます。
もはやあなたを指摘する上司、経営者、院長は存在しません。
誰も本当のことは言ってくれないし、言ってくれる人がいたとしても、すでにあなたはそのアドバイスを聞き入れる耳を持っていないでしょう。
ということは、自分が本当は何が悪くてリピートしないかもわからないということになります。

弊害その⑤:治療セミナーに通う

そんなあなたでも、売上という結果が出ていないことに関しての敗北感はあります。
そしてそれは、自分の治療技術がまだまだなんだという修行僧的発想になります。
遠隔治療なら遠隔治療的な治療のセミナーに、整体系なら整体のセミナーにと、自分の物差しに合った治療セミナーを受講し出します。
あなたは自由の身です。
休んでも、文句を言う上司、経営者、院長はもういません。
休診にしてまでも、時には遠方にまでセミナーを受講しにいくことでしょう。
そうやって、地域の信頼も失っていくことでしょう。

制限は、実はあなたを守るものだった

そもそも、流行っている院でいくらエース級になったところで、そのたくさんの患者さんは、あなたの力で集めたものではありません。
その院の経営者、院長がきちんと経営できているなら、あなたが辞めた後も、さほど売上を変えることなく存在しているはずです。
もちろん、あなたが抜けることで、あなたじゃないとダメという患者さんは行かなくなるでしょうが、逆にあなたという人がすでにいなくなってから、違うスタッフが頑張ってその分を埋めます。
安定している院であればあるほど、そういう自然のバランサーが働き、帳尻が合うようになります。
あなたは、色々な制限の中だからこそ、道を踏み外すことなく、その院の患者さんに良い評判を得ることができていたのです。
経営者というのは、独特の視点を持っています。
いや、俯瞰的な視点と言ってもいい。

「あ、こいつ放置するとアカン方向に向かうな」

と思うと、アカン方向に向かわないようにします。
院のためでもあるし、将来スタッフが独立しても大丈夫なように。

もちろん、ただ売上のためだという場合もありますが、なぜ経営者が売上にこだわるのかというと、あなたに給料を渡すためです。
クレームになって、患者さんが減っても困るので、クレームが出ないように色々言ったりしたりしてくれていたということですね。

あなたは、経営者の庇護の下、あ〜じゃない、こ〜じゃないと言っていた、いわば釈迦の手の平の上の孫悟空のようなものだったのです。

そんなあなたがなるべく早くリピート率を上げるにはどうすればいいか

さてあなたは、勤務時代、いわば安全で、このままこのレールの上を走っていればいいという環境で、ヌクヌクと守りぬかれていたわけですが、それがいやで舗装もされていない場所に自由を求めて飛び出したわけです。

①理念(ミッション)を作る

理念とは、いわば院を経営していく目的(ゴール)です。
だからまずしないといけないことは、目的(ゴール)をちゃんと設定し、目的(ゴール)までの道を切り開いていくことなんです。

治療法にこだわると、その治療法を提供することがあたかも目的(ゴール)かのような勘違いを起こします。
方法はあくまでも目的を達成するための手段であって、方法が目的(ゴール)になってしまっては迷走するしかありません。
元々開業した動機は自分の自由を求めての開業だったとしても、治療法という視点を外し、どんな人の役に立ちたいのか、どんな人から「ありがとう」と言っていただきたいのか、まずはそこから考えていくことが重要です。
ミッション、ビジョン、バリューなどと言いますが、雇用してるスタッフがいない場合や、5名以下くらいの場合は、ミッションだけで十分です。
しっかりそれを作り上げてください。

②今までの自分と決別し、生まれ変わる決意をする

今までのあなたは、ぶっちゃけ間違っていたわけです。
甘やかされたガキがそのまま大人になって、ワガママ言ってただけなんです。
そんな自分を知り、世間を知り、そして患者さんを知ってください。
売上が上がらないのはあなたの責任であって、その他どんなものの責任でもないです。
悪いのはあなた「だけ」です。
その責任を感じてください。
そして、今まで迷惑をかけて二度と来なくなった患者さんに心の中で謝罪してください。

③症状を診るな、患者を診ろ

治療法にこだわっていたあなたは、患者さん自身に関心を持てなくなっています。
「腰の悪い山田さん」ではなく、「山田さんが腰を悪くした」のです。
患者さん個人にしっかり関心を寄せてください。

手前味噌のようになってしまいますが、私は何度か患者さんに泣かれたことがあります。
もちろん、怒ったり怒鳴ったりしたわけではないです。

「先生だけやわ、わかってくれるの・・・・」

そうやって泣かれたことがあります。
その中の一人は、息子夫婦と同居していて、嫁に邪険にされ、息子も味方になってくれず、身体が痛いのに自分の旦那さんと息子家族の家事を全部していて、立っているのも辛いほど痛くて、「痛い、痛い」と言ってても、旦那さんも、息子さんも、そしてもちろん嫁も誰も「大丈夫」なんて言ってもくれず、ずっと我慢してきた人でした。
結構ひどい症状だったので

「これ、結構辛かったんちゃいます〜?」

と、私も何気なく言ったんです。
次の瞬間、涙を流されたんです。
この経験は、ちゃんとマジメにしている先生なら誰もが経験していることだと思います。
決して私だけが経験している特殊な経験ではありません。

今までのあなたなら、

「なんでこんなにひどくなるまで放置してたんだ」

と言ってたことでしょう。
放置しなければいけない理由があるかもしれません。
我々にも家族があり、友人がいて、そして仕事がある。
同じように、今目の前にいる患者さんにも、それまでの人生があり、今の環境があります。
背骨のゆがみがどうこう、何々筋のスパズムがどうこうというのは重要ですが、それ以上に重要なことは、患者さんという人に関心を持つということなんです。
あなたの関心を治療法から患者さんへのシフトしてください。

あ、フリはだめですよ。
全然思ってもないのに、「大変でしたね〜」と共感したふりをしてもそれは相手に伝わります。
心底共感できるように素直になりましょう。

④今まで勤務していた院をもう一度分析する

あなたは今まで、治療法という物差しでしか物事を判断していませんでした。
そんなあなたが「ダメ」と判断した勤務先が流行っている場合は、もう一度、そのバイアスを除去して、その院を分析してみてください。
流行る要素が絶対にあるのです。
そして、そこから、自分の理念に合うものは取り入れ、理念に合わないものはやめておくという取捨選択をしてください。

①〜④を順番にしていきましょう。
それだけもまずリピート率は格段に上がることでしょう。

まとめ

さて今回は思い当たる先生にとってはかなりキツい内容になってしまったことだと思います。

独立開業すると、自分の好きなようにできる、誰だってそう思うと思います。
しかし我々の仕事は、直接患者さんと接して、手で触れる仕事です。
患者さんが存在しなければ、我々も存在できないわけです。
患者さんは、〇〇療法を受けにくるわけではないのです。
痛みをなくし、不安を解消し、未来に希望を持ちたいのです。
ですので、「〇〇療法の使い手」ではなく、自分自身をもっと開示して、自分の色を出していく必要があるのです。
私の場合、柔道好きだけどスポーツはあまりしたくない、インドア派で、家庭環境にはあまり恵まれていなかった、猫が好きで図体のでかい、肉と酒が好きな左利きAB型の超マイノリティな松村が治療をしますということなんです。
そんな松村は、主に〇〇療法と〇〇療法を使いますよ〜程度なんです。

そして最後に・・・・

私がなぜ「下手に」治療にこだわりすぎたと書いたのかは先述させていただきました。

治療にこだわるのは、患者さんのためなんです、本来は。
でも、「下手」な先生は自分のために覚える。

で、そういう先生の院の売上が悪いのを見て、胡散臭いコンサルタントは

「技術を勉強しても儲からないです」

などと宣伝し、マーケティング等を教えていく。

そう、業界にとっても迷惑なんですよね、「下手に」治療法にこだわりすぎた先生っていうのは。
患者さんのために治療の勉強してる先生のことまで否定されかねません。
この業界が胡散臭いコンサルタントに喰われているのも、そういう「下手に」治療法にこだわりすぎた先生に責任の一端はあるんです。

治療の勉強をすること自体は否定しません。
しかし、絶対に患者さんあっての自分ということだけは忘れないようにしましょう。

思考をシフトすれば、必ずリピート率は上がりますので、ぜひとも頑張って自分自身を見つめ直してくださればと思います。

 


投稿者: 正隆松村

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