今、売上に困っている先生へ。

こんにちは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

さて、今回のブログは少し辛辣な内容になるかもしれません。

それでもよろしければ、先をお読みいただければと思います。

アカデミーをスタートしてから、会員の先生方はもちろん、それ以外の先生方たくさんの方をお会いする機会が増えてきました。
そんな中、保険、自費に関わらず現在売上に困っているという先生にお会いすることも増えました。

「売上に困っている先生、結構多いな〜」

なんて妙に感心したのを覚えております。

INDEX

なぜ売上が悪いのか?

この本質主義の時代に近づいてきているにも関わらず、まだ

「売上と技術は関係ない」

などと言って、小手先のマーケティングばかりを教えるコンサル的な方々がまだおられますが、私はそうは思いません。
もちろん、小手先のマーケティングは、ノウハウを覚えることで、新患を増やすことはできます。
また、回数券や定額制を導入することで、新患を集めるためにチラシをまいたり、ネット広告をすることで、一瞬の売上は簡単に上がります。
そういう刹那的な面で言えば、技術は関係なく、フロントエンドやバックエンド等少し構築することで売上は一瞬ハネあがるであろうと思います。

しかし、ちょっと待ってください。

果たして、売上が上がらない原因はマーケティング不足なだけなんでしょうか?

私はもう10年以上前に整骨院を開業しました。
保険メインの院でした。
当時、マーケティングの「マ」の字も知らず、開院前に「〇月〇日開院」とだけ院前に掲示しただけで、チラシ等は一切しませんでした。
開業初日の来院数は1名。
一週間くらいは、2名とか3名とかでした。
しかしその方々が、家族や友人を紹介してくださり、開業して一ヶ月くらい経過する頃には、40人以上になっていました。
ノウハウも何もありません。
紹介してくださった患者さんに何かあげたこともありません。
目の前の患者さんを一生懸命診る、それだけを愚直に続けていただけです。

 

売上が上がらない本当の理由

正直申しまして、開業して1年以上経っても、まだ売上に困っているという場合、その原因はあなた自身にあります。
何かが足りないのではなく、全てが足りないのです。

・技術

私の定義する治療技術とは、ただ単に「〇〇療法」を受講し、認定証をもらったとか、「〇〇整体」をマスターしたとか、そういうものではありません。
患者さんが話しやすい、治療を受けやすい場を作り(アプローチ)、問診をしっかり行って、ただ病態把握するだけでなく、精神面のニーズまで聞き出し(ヒヤリング)、それに応じた治療の説明をし(プレゼンテーション)、その治療をすることをしっかり理解し納得していただく(クロージング)というところまでが、私の定義する「技術」というものになります。
手技的な技術は、この定義の中のたった一つの要素でしかありません。
コーチングの技術で、いくらミラーリングだなんだかんだとラポールを築くテクニックを学んだとしても、精神的に「どんな患者でも、一旦は懐に受け入れる」という器がない限りはそのテクニックが活かされることはありません。
そういう点では、技術とは、手技、専門知識、コミュニケーション能力すべてが必要で、どれが欠けていても、それは技術力がないということになります。

・経営力

経営者である以上は、利益を上げることを考えていかないといけません。
利益を上げるとは、売上を上げるだけでなく、経費を下げることも含まれます。
また、お金以外の経費もあります。
良い例は「時間」です。
今、何をするべきか、何をしないべきか、患者さんに「ありがとう」と感謝されるにはどうすればいいのかを考え続けないといけません。
リフレッシュするのも重要ですが、経営者というのは、仕事とプライベートの垣根はあまりありません。
もちろん、経営が軌道に乗ってくれば、しっかりケジメをつけていけばいいのですが、売上に困っている人ほど、休みの日にしっかり休んでいるという人が多いです。
売上に困っているということは、毎日ヒマでしょうから、休みの日にまで休まなくても良いと思うのですが。
また、今何をするべきかの判断を完全に間違っている人も多いです。
時間があればチラシ作ってポスティングでもすればいいのに、「朝活だ!」とか言って、朝起きて本読んだり、成功した経営者に混じって朝ご飯食べて、自分も成功した気になっちゃってる。
自分より成功している人とお付き合いするのはとても勉強になるので良いのですが、それよりも優先すべきことがあるということが理解できないというのは正直イタいです。

・人間性

やはりある程度「できた」人じゃないといけないと思います。
私は29歳で開業しましたが、当時は「俺も一人前や〜〜、もういける!」なんて思っていましたが、今思い返すと恥ずかしいことも多いです。

無駄に突っ張ってしまったり、患者さんの真意が見えず、その方に迷惑をかけたり・・・・

あ〜、今ならもっとストレスなく受け入れることができるのになってことがいっぱいありました。
これは問診や経営にも関わりますが、まず自己承認欲求が強い人(私は「しょうにんちゃん」と呼んでます)はこの仕事自体向いてないと思います。

「我がが我がが」

という人です。

「俺ってこんな治療法できるぜ〜」

とか

「俺ってこんな症状治せるぜ〜」

「俺ってすごいぜ〜」

なんて言ってる人はダメです。
ちなみに、こういう人は売上が上がらない理由も他人や環境のせいにしがちです。
なので反省もないのでやはりダメです。
治療家にも経営者にも向いておりません。
そしてスタッフとしてもかなりの問題児になると思うので、誰ともコミュニケーションを取らずに済む仕事を選択するべきだと思います。

まあ、しょうにんちゃんもそうですが、人間性ということになればやはり若すぎての開業はリスクが高いと思います。
その時は、「いける」と思うんですけどね。
全然未熟・・・・
臨床経験もですが、やはり人としての経験も重要です。
それも、できれば厳しい部活や厳しい職場で一度徹底的に人格を否定されるくらい怒られたり、痛い目にあったりして、自分にガンガンストレスをかけていき、ストレス耐性を身につけていかなければならないと思います。まさに「鉄は熱いうちに打て」です。
若い時に打たれず、甘やかされていては、すぐに刃こぼれ(挫折、辞職)する、弱い人間になってしまいます。

 

小手先のマーケティングを勉強するリスク

さきほど、小手先のマーケティングを駆使すれば、一瞬の売上は伸びると言いました。
小手先とはいえ、やはり正しい手法を取れば、間違いなく売上が上がるのは事実です。
しかし、ここにリスクが生じます。

治療の勉強をしなくなる

売上に困っていたのが、治療技術ではないと思い込んでしまう場合があります。
小手先のマーケティングを教えるコンサル的な方々は

「商品力を上げる前にすることがある」

などと言って、あたかも正しいような論理展開で、商品力を上げずともモノが売れるなどと言ってますが、それだと胡散臭い、絶対効果なんてないやろ〜的なサプリメントの通販と同じになってしまいます。
そもそも、院での商品は手技だけではなく、手技をマスターしている先生そのものが商品になるわけですので、商品の強化なくして院を長く続けていくことなど不可能なのです。
治療も「先生」という商品の中の重要な要素ですので、勉強は絶対に必要になってきます。

お金に踊らされる

これは私も経験したことがあります。
私は、お金って言うのは、持った金額に見合った人間じゃない人が持ってしまうと、何かの歯車が狂うようにできているんじゃないかと思うんです。
それか、一度大きく稼いだら、神様がその後を試すためか、大きな試練を与えてくるのか、そういうことが起こるんです。
私の場合、開業して1年も経たないうちに1日80人くらいは来院するようになり(レセされてたら、平均80人程度の請求金額がどれくらいかわかると思います。あ、兵庫なので大阪の70%位になるとは思いますが)、当時耳つぼダイエットで、半年で数千万稼ぎ、有頂天になりました。

当時独身だったので、窓口のお金をつかめるだけつかんで、スタッフを連れて飲み歩きました。
高級車も買いました。
正直、「世の中金だよね」なんて本気で思ってました。
で、まだ独立したばかりなのに、「俺って金持ちだぜ〜」って完全に勘違いしてました。

そんな中、耳つぼのブームが終わりました。
収入は激減するも、院の患者さんは来院されていたので、それでも普通よりは稼いでいる状態なので、あまり気にせず、

「あ、ブーム終わったか。やっぱり本業集中やな!」

などと思った矢先、スタッフのモチベーションが下がっていきます。
そう、耳つぼを歩合にしていたので、最初のスタッフには柔整の学生の頃から30万以上も渡していたんです。

それが一気に落ちて基本給になったものだからやる気を無くします。

仕方ないので院の売上に対しての歩合にしますが、そもそも学生で院に居ない時間もあるので、そうそう高額な歩合もつけられません。
結局そのスタッフは、うちの院の患者さんに、高い布団かベッドを売るネットワークビジネスの誘いをしまくり、他にも色々問題も起こして退職しました。

もう一人のスタッフは備品を盗難、患者さんを口説くということをし、退職。

そんな状態ですので、数字も落ちました。

私自身も金に踊らされ、その結果スタッフも金に踊らされたんだと思います。
あれだけの金が今手元に一切ない(すべて使った)というのは、今でも信じられません。
ま、それだけの豪遊はしてましたが。

天狗になる

まあこれも先ほどの「お金に踊らされる」と共通することもありますが、治療もできる、経営もできるなどと思い込んでしまいます。
本当はそんなことないのに・・・・・
私も、「経営で失敗するなんて信じられへん。上手くいってない中小企業の社長って、みんなバカなんじゃないか」と思い上がってました。
これ読んでおられる若い先生でね、「なんや松村、アホちゃうか。俺はそんなんならへん」って思っておられる方もおられると思います。
催眠術と一緒でね、そういう人ほどハマるんですよ。

マーケティング中毒になる

実はこれが一番怖いんです。

「いざとなったら、オファーの強いチラシをまいて、回数券売ったら大丈夫」

なんて思考になったらもう立派な中毒です。
売上が一瞬下がるだけなら「そんな時もある」ということでいいのですが(大災害後の自粛ムード等、我々ではどうしようもない問題などで)、そういうことがなく売上が下がっている場合は、チラシ云々よりも先にすることがあります。

それは・・・・

「なぜ売上が落ちたのか?」

を分析し、改善することなんですね。
でも、それをしなくなる。
で、数回くらいはそれで通用しちゃうんですよ。それで

「あ、最近売上落ちてたけど、チラシまいたらまた戻った!やっぱチラシまかんとあかんな〜」

的な感じになっちゃうんですね。
でも・・・

売上が落ちた=患者さんが来てない

ということなので、かなりの患者さんが離脱しているわけなんです。
もちろん、治って来なくなった人もいるでしょう。

でも、ちょっとしっかり分析してみてくださいね。

回数券買ったにも関わらず、すべて消化せずに来なくなった人いませんか?

これは相当イヤッってことですよ。
下手すりゃ消費者センターに行かれます。

数回通院されて「あ、予定わからないんで〜」と言ってから、来なくなっている人いませんか?

数回で見切りをつけられた可能性があります。

なぜ高いお金で回数券を購入したにも関わらず来なくなったのか?

なぜ今までは次回予約を取っていたのに、取らずに帰ってそのまま来なくなったのか?

そのあたりを分析・改善しないまま、新患を集め続けるとどうなるでしょうか・・・・
最終的には、悪いウワサが広がり、そのエリアでは事業ができなくなります。
でも、もう中毒になっている人は、チラシを作り、まき続けます。

「ん〜、このチラシの反応率落ちたな。もっとオファーを強くしないと!」

などと的外れなことをします。
結局、最終的にはウソばっかり並べたチラシを作るか、初回料金をどんどん値下げしていくかしか発想がわかなくなります。

値下げ、下限がありますからね。

0円以下にしようと思ったら

「治療受けてくださったら〇〇円お支払いします」

しかなくなりますから。

絶対イヤですよね〜

 

では、売上に困っている場合、一体どうすればいいのか?

散々小手先マーケティングの害を書いてきましたが、

「そんなことわかってるけど、あと半年で月商〇〇円くらいにはしないとうち潰れるかもしれへんねん!」

と言う方ももしかしたらおられるかもしれません。
そこで、少し対応策などを書いていきたいと思います。

廃業する

「いきなりソレかよっ!!」

と思われた方も多いと思います。
でも、開業してある程度経っても、お金が回らない、利益が異常に少ない場合、先述したように技術、経営能力、人間性のどれか、もしくは全部が足りてないということです。
一旦リセットして、そういうところを意識しながらもう一度雇われる側に戻って勉強をし直すというのも、手段としてはアリだと思うんです。

結構ね、労働環境の整ったところで、スタッフもたくさんいて、マニュアルもしっかり作っている院だけで育った若い先生に多いのが、技術も経営能力も人間性もすべて未熟というパターンなんですね。
そういう場合、下手に小手先マーケティング覚えて、下手に一瞬小金持ちになってしまうと、つまずいた時に修正がきかず、結局廃業ってパターンが多いので、そうなるくらいなら、傷が浅いうち(借金が少ないうち)に廃業してリセットした方がいいと思います。
若いうちならそういう経験もまた勉強ですし、挫折を味わうのもいいことです。
しっかり反省して、次に活かせればそれで問題ありません。
借り入れた事業資金も、別に自己破産等しなくとも、「リスケ」と行って返済期限や月々の返済金額を変更してくれます。未来が絶たれるわけではないので、退く勇気も必要かもしれません。

また、これを機に

「本当に開業して一生治療家、経営者としてやっていく覚悟があるか」

を自分に問うてみるものいいと思います。
やはり独立してやるのは、向き不向きもあります。
ここは治療とは違う分野ですので、人生をかけて取り組めることなのかをしっかり見極めるべきなのかもしれません。

もしまだ開業されていない方が読んでおられる場合、開業するのは簡単ですので(金さえ借りれば誰でもできるので)、その後のことをしっかり肚くくれるかどうかをしっかり考えてみてください。

決して楽しいことばかりではないですし、自分でやったからといってなんでもかんでも好き放題ワガママにできるわけでもありません。

雇われていた頃よりも我慢を強いられることも多いですし、すごく孤独な部分もあります。
そういう想いもするということを覚悟して開業してくださいね。

期限を決めて小手先マーケティングを実践する

さてまあ、いきなり「廃業」って書いてしまいましたが、それだけだと救いも何もありません。
新患を増やすことだけに特化したマーケティングを、期限を決めて実践するのもありだと思います。

この期限というのは、日程だけでなく、金額もです。
そして、まずはしっかり稼ぐ。
そしてある程度稼いだら、未熟な自分を高める努力の方にそのお金を投資し、いつまでも値引きだ、回数券だとしないで、スパッと辞めてしっかり地に足着けた経営ができるようにするというのが重要です。

ただ、そうはいってもはやりリスクはついてまわります。
最初はそう思っていても、結局お金に踊らされて、愛人作ったり、高級車買ったり、それですべてわかったかのように勘違いしてセミナーしだしたりします。
そうなったらもう終わりです。
開業時より大きな負債を抱えての廃業となりますので、本当に終わるかもしれません。

なので、いついつまでに、いくら売り上げるという目標を明確にして、達成したら必ず小手先のことはやめ、本質を求める努力に切り替えると決めてから取りかかってください。

資金の借り入れをして、コンサルティングを受ける

売上のことばかりを言うコンサルはダメですし、某大手コンサルもおすすめはしませんが、ちゃんとしているコンサルタントも存在します。
良いコンサルタントを見つけるとなると難しいですが、悪いコンサルタントを見つけるのはまだ簡単だと思います。
要するに売上UPばかりをセールスポイントにしていないコンサルタントを見つければいいわけですから。
何が足りないのか、しっかり指導してもらって自分を高めていくといいと思います。

自分で本を買い、マーケティングの勉強をする

実はこれが一番安くつきます。
ちなみに、私が自費に切り替えて院が潰れかけた時に、Amazonの古本で100円で神田昌典著「あなたの会社が90日で儲かる!」(通称ピンク本)という本を買い、すり切れるほど読み漁り、実践し、売上をあげたのです。
まさに90日でした。
その後、すぐに今度は新書で「非常識な成功法則」を買い、また読み倒して実践。
その後、お金ができたので、神田昌典のCDやDVD(結構高いんです)を購入し実践。
そしてとうとう神田昌典主催の集まりに入会。
と、ステップを踏んできました。

もちろん、神田昌典の本だけでなく、岩田松雄さん、ゴールドラット博士、ジェフ・ウォーカーの本なども読み漁りました。

そんな中でフォトリーディングの必要性を感じ、講座を受講しました。
これは本当に良い読書法で、これができるようになってから情報処理能力が格段にUPしました。

その後、フューチャーマッピングマスター講座を受講し、行動計画の変わった立て方を学びました。
ちゃんと修了証をいただいておりますので、私が他の先生の行動計画を立てるということもできます。

もちろん、院の売上も復活。
保険時代よりも良いです。

私は、こうやってたった一冊の100円の古本から復活したのです。

毎日ヒマだったので、勉強しまくり。
受付時間が終わっても勉強しまくり。
数ヶ月間だけでしたが、多分数年分の勉強をしました。
平均睡眠時間は2、3時間だったと思います。

でも、だからこそ今があります。

そして今も本を読み漁っています。
ま、元々活字中毒というのもありますが。

 

 

最後に

かな〜り長い文章になってしまいました。
最後まで読まれた方はお疲れ様でした。

最後の最後に言いたいことがあります。

「イイワケすんな」

です。

今、売上に困っていることに関してだけじゃなく、廃業するにしろ、マーケティングするにしろ、本を読むにしろ、何かしら行動を起こさないことには結果も生まれてこないわけです。

もちろん、何の考えもなしで行動すると、失敗することもありますので、検証はしないといけませんが、いくら勝算があっても、結局は行動しないとどうなるのかはわかりません。

行動できないイイワケをしても何も始まらないのです。
だから、まずやる。

Amazonで100円で古本買うなんて、これ読んだらすぐできるじゃないですか。
しかも失敗してもたった100円。

やらない理由が見当たらない。
でも、やらない人は

「ホンマかいな」

とか

「俺、本苦手やし」

とか、色々な理由をつけてやらない。
そうやって、自分を正当化してきたからこそ、現状があるわけです。
院は自分の分身だと思います。
自分を高め続けることで、院もレベルアップしていくんだと思います。

水は高きから低きに流れます。
もしかしたら経営者になるってことは、水の流れに逆らい続けて、川をのぼっていくということをやり続けることなのかもしれませんね。

産卵時の鮭のように。

 

投稿者: 正隆松村

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