こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
うちの院のブログに書いたのですが、先週の木曜日ソーシャルフットサル関西大会という試合に行ってきました。
その記事はこちら↓
後編を読んでいただければわかりますが、今回縁あって救護で(公社)大阪府柔道整復師会さんにお願いしました。
結構ケガ人が出て、柔道整復師の先生は大活躍でした。
さてさて、この大会、実は精神障がい者の方の社会復帰やリハビリを目的とした障がい者スポーツなんですね。
その大会ですので、公益性が高いと判断して大阪社団さんにお願いしに行かせていただいたんです。
副会長の川口先生は元々の知り合いだったこともあり、社団内での採択にとても熱心に動いてくださりまして本当に感謝でした。
現在、当アカデミーでも兵庫、京都の社団の先生が数名おられます。
中には理事をされている先生もおられ、色々活動を聞かせていただきます。
そして私も保険を扱っていた頃は(便宜上扱っていたと書いておりますが、後述しますが柔整の療養費の仕組みは十分理解しております)、兵庫社団に入っていて、数年は執行部で仕事もしておりましたので、色々なことを見て聞いてとしてきました。
そんな中、私はアカデミー入会であろうとなかろうと、開業の相談を受けた際は必ず
「保険を扱うなら社団に入りなさい」
と言ってきました。
これは、社団だと守ってくれるとか、有利だとかそういうアホみたいな理由ではなく、業界のためになるからです。
ただ、この時代別にうちのアカデミーに入る、入らないは関わらず、自費治療を入れる院は増えてくることでしょう。
導入だけでなく、自費に完全移行する院、そもそも初めから完全自費の院を開業するという先生も増えてくると思います。
これと社団がどう関係あるのか?
社団の収入源は、入会している先生からの会費です。
他府県は知りませんが、兵庫の場合は「定額会費」と「定率会費」というものがあり、「定率会費」は、保険の請求額の1.2%(入会して2年は2.2%)となっております。(私が入会当時の数字)
ということは、保険請求額に比例して社団の会費も上がるという仕組みなわけです。
今までは、保険だけで上手くいっていたらそれでよかったでしょうし、日数制限的なものもない、何部位でも請求できるという時代は相当お金も入ってきたとのことでした。
しかし今、保険が厳しくなったのを受けて、保険を辞めない先生でも、自費治療メニューを増やし、その分保険請求を抑えるというところが増えてくると、院の収入は変わらなくても、社団への会費は下がるということになります。
また、今の状態では、完全自費で開業するなら、社団に入らなくてもいいという状況です。
私が社団を退会したのも、まさしく「会費の無駄」だからです。
だって、定額会費を毎月わざわざ振り込みに行ってましたからね。
正直、時間も無駄です。
ここで、法律が変わり社団においても公益社団と一般社団と区分されるようになりました。
各都道府県の社団は、「公的である」と証明したいばかりにこぞって「公益社団」を取得しました。(もちろん一般社団のままの都道府県の会もあるのは知ってます)
公益性のある団体だからこその公益社団法人だということになります。
さて、ここで今の問題があります。
例えば私が所属していた兵庫社団ですが、総会等がある度に
「今の制度を守る」
「柔整師の権利を守る」
と言うようなことをえらい方々がおっしゃっておりました。
そもそも、今の制度を守るというのは、単に骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷を従来通り療養費受領委任払いで対応できるようにするということなのか、肩こりや慢性腰痛なども「なぁなぁ」で請求できる状況を守ると言っているのか?
もし後者であるなら、公益社団の発言としては大問題です。
そしてもうひとつ、柔整師の権利についてです。
柔整師の権利ってなんでしょうか?
療養費受領委任払いが権利でしょうか?
もしそう考えての発言であるならば、そもそも公的団体のえらい立場からは即刻退くべき思考です。
本当は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷をした際、国と協定で定められた料金の3割だけ(年齢や環境等により0〜3割ですが)負担すればいいという権利を、国民が持っているわけです。
柔整師に療養費を好きなように請求する権利なんて与えられていないのです。
権利というならば、医師以外で骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷を業として診て良いという業務独占が権利になるのではないでしょうか。
であるならば、公益社団として、各都道府県の柔道整復師会、その上位団体である日本柔道整復師会はいったい何をすればいいのでしょうか?
社団の理念はいったい何なんでしょうか?
構造構成主義で、理念とは組織のコンパスであると言ってます。
また、方法とは、目的を達成するために状況に応じて選択する手段のことと言ってます。
ということは、社団の理念が間違っていると、方法すらも間違うということになるのです。
公益社団ですので、各社団は、柔整師を守ることよりも先に、国民の利益を守ることを考えないといけません。
「欲望に歪められた知性は”正しく”不正解を導く」と構造構成主義の西條先生は言ってます。
ということは・・・・
同じ
「法を変えて、慢性疾患も療養費で柔整師が診られるようにする」
という方法は、
「今まで肩こりとかも捻挫とかで請求してきて、もはやそれが当たり前になっていて、今更本当の外傷以外はダメと言われても食っていけない。だから、そういう柔整師を守るために法を変える」
という理由であれば、それは”正しく”不正解になるわけです。
逆に
「柔整師法ができた時代と違って、国民はデスクワークが増え、子供でも運動不足で生活習慣病になるような時代。肩こりや慢性腰痛にしても、日本でもとても多い。特に非特異的腰痛で悩んでいる人は国民の8割にもなる。その人たちが、少しでも経済的負担が軽く治療を受けられるなら、それにこしたことはない。だから法を変える」
という場合は、正解であるということになります。
ここで重要なのは、本当は前者なのに、建前だけ後者の言い分を言うことです。
マズローは「完全なる経営」の中で、そういうのは必ずバレると書いてますので、ダメです。
行政にもバレます。
国民にもバレます。
みんなにバレます。
社団が柔整師業界で唯一の公的団体と自負を持っているのなら、せこいことをやっててもダメですし、もっと今後の柔整師のために攻めの姿勢を見せないといけないと思うのです。
と、ここで妄想してみます。
もし私が日本柔道整復師会を自由に動かせる身分になったら・・・・
私は別に慢性疾患を保険で診るという状態にしなくてもいいと思っております。
と言うのも、私が厚労省の役人なら、もし柔整療養費で慢性疾患まで業務範囲にするのであれば、あはきのように「医師の同意」を付けます。
それを条件にするでしょう。
また、柔整師法は議員立法だと聞きました。
ということは、その柔整師法を変更しようと思うと、またも議員に頼まなければなりません。
柔整は昔から自民党ですが、今の政治情勢を見て、凄く言い方は悪いですけれど、たかが柔整師の問題にかまけている余裕があるとは思えません。
そもそも、政治家に柔整師の運命を預けるということ自体が愚かだと思います。
ちなみに、今も政治連盟というものがあり、自民党の皆さんのお世話をしてますが、それもどうかと思います。
本当に国民の利益になり、柔整師も国民に喜ばれ、行政も嬉しいという良いアイデアを、政党関係なくプレゼンして、一番良いプレゼンをした政治家の、その後の活動を見て、それ以降支援するかどうか決めるでしょう。
だいたい、先に金よこせってのが変な話で、出来高払いにするべきなんです。
ちょっと脱線しましたが、もし私なら、そうやってクリーンにできるところはすべてクリーンにしていきます。
で、外傷は保険、外傷以外は自費という経営方法をレクチャーする会に変えます。
それで収益が上がり、経営が安定するのであればほとんどの人がそうしたいはずですから。
なので定率会費は安くして、その分定額会費を値上げします。
そして、広報活動をしまくります。
外傷以外は保険で診られないということを、周知徹底する活動をするのです。
社団が率先してやれば、厚労省等の信頼度も上がります。
国に協力するわけですから。
そうすることで、本来ずっとそうだったはずの「外傷は保険、それ以外は自費」という、一番最初の姿に業界を戻すわけです。
あとは、社団会員が、そういうクリーンな経営で安定できるのであれば、会員は自然に増えるはずです。
かなりの理想論を書きましたが、これが実現できたらいいと思いませんか?
業界の今後の課題もこの中にあると思います。
まず、頭の固い連中を排除することが重要なんです。
特に、先人の苦労の上にあぐらをかき、制度を悪用する事業スタイルを確立してしまった世代は、早々と引退していただきたい。
もちろん、全員がそうでないことはわかっていますので、全員ではなく、明らかに老害になっている人たちは周りから圧力をかけてでも退いていただかないといけない。
難易度の高い課題ですが、重要であると思います。
そして、業界外からの指導者を招聘するべきです。
柔整業界内、ちょっと広げても医療業界内だけでなんとかしようとするからいけない。
例えば構造構成主義の西條先生などを指導者として招いて、構造構成主義を応用した組織運営をするだけでも業界は変わるでしょう。
そして、社団としては早く「単なる保険請求団体」から卒業しないといけない。
私が辞めた理由も、単に「保険扱わないから」なんです。
会員を所属させ続けるということだけで言っても、今の保険制度に依存しているわけです。
自費だけでやっている、私のような柔整師でも「あ、社団に入りたい」と思われる会にしていかないことには、社団の未来はないでしょう。
そして、社団の未来は業界の未来でもあります。
なんのかんの言っても、役人は社団を見ているわけですから。
現在、我々の業界は色々な要素に依存してます。
そろそろ、本当の意味で自立できている業界にしていかなければいけないのではないかと思います。