僕が治療セミナーを選ぶ時の8つの基準

こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

4月2日(日)に東京で開催する、「整骨院自費導入マスター講座」、残り3席です。
お申し込みはお早めに。

アカデミー活動をしているとよく

「先生、治療を教えてください」

「先生は治療のセミナーはされないんですか?」

とよく言われます。

 

治療…

僕が教えて欲しいです。
そりゃ、色んな整体法やカイロから、筋肉、筋膜系の技術、心理学と色々学んできました。
でもまだまだ。

人の教えるなんてもってのほか。

それに、僕の治療は今まで学んできたものの集合体。
それぞれの技術にオリジナルの方々がいらっしゃいます。

その方々に許可ももらっていない以上、僕が人様からお金をいただいてセミナーをするなんぞは失礼極まりない話です。
だからセミナーもいたしません、絶対に。

今、技術系セミナーをされてる講師の中で、今まで自分が学んだ師匠からしっかり許可を得て活動してる先生って果たして何人くらいいるんでしょうかね?

まあそんなことはおいといて…

僕自身が自費に切り替えてから、治療もかなり変化してきました。
現在もまだまだ発展途上ですので、治療のセミナーを受けるのですが、その時の基準を書いていきたいと思います。
(完全に私の私見ですので、原理原則かどうかはわかりませんのでご了承ください)

 

INDEX

僕が治療法のセミナーを選択する基準

①治療法に個人名がついていないこと

例えば僕が、「松村式整体」とか「松村メソッド」という治療法を売り出したとします。
開発者プロフィールは、「兵庫県西宮市でまつむら鍼灸整骨院を開院。たくさんの患者さんを〜〜〜」みたいな文章になることでしょう。

そこそこ質も良くある程度研鑽していけば効果も高い技術だとして、セミナーを開催します。
受講された先生がドハマリして僕を崇拝するとします。

その先生の院のホームページにはデカデカと

「松村式整体やってます」(冷やし中華みたいやな)、とか「当院は松村メソッドを導入してます!」とか書いちゃったらどうなるでしょう。

その先生の院のホームページを見た、本当に困っている方は

「どうせならこの先生の治療法の師匠に治療受けたい!」

ってなりませんか?

西宮って案外便利なところで、新大阪から僕の院まで30分くらい。
梅田からも三宮からも30分くらい。
関空や伊丹空港からもリムジンバスで一本。(関空なら1時間、伊丹なら30分程度)

実際に今、名古屋、横浜、姫路などの遠方からも患者さんが来られています。

もし僕の名前が付いた治療法を学んで、自分の院のホームページにそれを書いてしまったとして、その先生の院が大阪や京都、同じ兵庫県内ならどうなるでしょうか?

自分の院の格を上げるために自分の名前を治療法に付けちゃってるんでしょうか?

その治療法を学ぶ先生方のことを考えればあまり自分の名前を治療法にしないほうがいい、と僕は思うんです。
ちょっと思いやりが足りないんじゃないかな〜っと思うんですよね。

もちろん、自分の名前を治療法の名前にしちゃってる先生でも素晴らしい先生もいると思います。
でも、なんか僕は疑問に感じてしまいます。

 

②他覚的所見の変化が出せること

いきなりですが

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

これをご存知でしょうか?

これは、国際疼痛学会における痛みの定義です。

翻訳すると

「実際に何らかの組織損傷が起こった時や組織損傷を起こす可能性がある時、またはそのような損傷の際に表現される、不快な感覚や不快な情動体験」

となります。

要するに、痛みという自覚所見は、本人の感覚や体験によって変わってしまうため治療に対する評価としてはあまり有効ではないわけです。

事実、緩和医療などでも医療行為の評価にペインスケールを入れるかどうかというのは未だに議論されているところだそうです。
というのも、本人は一度痛い思いをしたことがあるから、まだ大して痛くないにも関わらず「痛い」と訴えることもあるから。

他のバイタルサインはウソをつきませんが、痛みはウソをつく場合もあるのです。

そう考えると

「腰痛が驚くほどすぐに消える」

だとか

「五十肩がすぐに治る!」

とか

「肩こりが20秒で改善!」

という、自覚所見なのか他覚所見なのかも明確にしていないで、しょーもないアピールしている治療法を選択すると、受講して後悔するか、口車に乗せられてお金を吸い取られるかのどちらかになってしまいます。

可動域が拡大する、明らかに歪みが取れているなど、他覚的な変化を出せる技術でないといけないと思います。

 

③身体に優しいこと

もう言わずもがな、なんですけどね。
有名なバキバキするヤツで日本で一番訴訟が多いという技術もありますよね。

あれも、上手な人がやれば事故はないんですけどね。
壊しちゃ意味ないですよね、治しにきてんのに。

鍼に関しては一旦顕微鏡レベルで損傷させることで…という理論もありますが、それにしても刺激過多になってしまったら「壊しすぎ」となります。

それに、治療って突き詰めていくとソフトで患部を触らないというところにシフトしていくんじゃないでしょうか?

バッキバキのボッキボキとかは論外ですけど、「骨盤矯正」とか言って骨盤ガンガンいじってるのもどうかと思うんですよね。

骨盤の構造わかってんでしょうか?

骨盤って股関節とも密接な関係があるし、骨盤を語る上でむっちゃ重要な筋肉とかもあって、それらがどのように関連しあって骨盤にどう作用してるのかをわからないと骨盤いじくっても意味ないだけじゃなくて、逆に壊すんですよね。

あ、治療のブログじゃないのでこの話はこのへんで。
詳しく聞きたい先生は僕と一緒に飲みにいきましょう(笑)

なんにせよ、身体を壊さないソフトな手技のほうがいいと思います。

 

④治療時間が短時間で済むこと

これは2つの理由から必要だと僕は考えています。

 

・経営的な理由

僕たちの事業は、どう転んでも「労働集約型」です。
「〇分〇〇円」のマッサージ屋とちゃうねん!と言ってみたところで、事業スタイルとしては全く同じで時間の切り売りをしているわけです。
ただ、「〇分〇〇円」のマッサージ屋やエステと違うのは、僕たちは「結果を売っている」ということ。
ということは、同じ結果を出すなら短時間のほうが効率的なんです。

それと治療院を経営していく上で、ただ経費分を稼ぐだけだと僕たちが生活できません。
1人院なら10〜15坪くらいのテナントの家賃、光熱費事業資金の返済、治療機器のローンやリース代などを考えると、月商100万円だとしても手元に残るのはサラリーマンの月給程度。
しかもそこから税金は引かれ、国保の保険料を支払い、年金まで支払う。
月々手元に残る金額はサラリーマンの給料並みだったとしても、雇用保険もあるわけないし、有休もない、ボーナスもないとなると、月に100万円稼いだところで年収はサラリーマン以下。
サラリーマンより明らかに高いリスクを抱えているにも関わらず、です。

となると、1日8時間、月20時間働くとして、もし1人の患者さんに1時間かけて治療をしたとします。
最低限の暮らしを確保するためには、

100万÷20日=5万。

ということで、1日5万円稼がないといけません。

自費の場合は保険でむっちゃ流行っている院のように毎日アホみたいに忙しいということはありません。
しかも、稼働率100%の状態をずっと続けると身体を壊します。

となると、稼働率60〜70%くらいで1日5万円稼げないといけない。
ということは、1人に1時間かかる場合は1日に8人しか診られないわけなので、

8×0.6(稼働率60%で計算)=4.8人

となります。

ちょっと甘めに5人で計算すると、

5万÷5人=1万

となりますので、治療費は1万円以上いただかないといけないということになります。

最近よく「〇分で3万円の治療が!」というコピーありますけど、僕はそれ嫌いです。
だって、良心的ちゃうもん。患者さん通われへんやん。

「治したら通わんでええ!」

という理論もありますけどね。
僕はしっかりメンテナンスして予防してあげたり、パフォーマンスアップしてあげたい。
だから定期的に通って欲しい。

となると、5000円〜8000円くらいには抑えたいんですよね。

先ほどの計算を逆算していけば、1日平均何人見ればいいかわかるので、1日の稼働時間からその人数を割れば治療にかけることができる時間を出すことができますのでやってみてくださいね。

あ、算数苦手な先生がおられたら僕の講座を受けてください。
僕がかわりに計算しますので(笑)

 

・治療的な理由

これは「③身体に優しいこと」にも通じるんですけど、弱い刺激でも長時間与え続けると強い刺激になります。
ということは、身体に刺激を与える時間もなるべく短いほうがいいと思うんです。

患者さんへの負担を少なくしていく、という点では、治療時間は短いほうがいいのではないかと僕は考えます。

 

⑤コースが細かく分かれすぎていないこと

協会ビジネスが流行ってから、なんでもかんでも「トレーナー」「マスター」「インストラクター」「マスターインストラクター」とかランクを細分化して受講料を搾り取るところが増えてきました。

そのスタイルがいい場合もありますが、治療セミナーであまり細かく分かれているのはどうでしょう。

かなり前に受けた整体セミナー、最初は基礎講座というのを受講しないといけなかったんですよね。

基礎講座の後にあるのが、実技の基礎講座。
それを受講したら、中級講座、上級講座、整体院開業講座
まあ、そんなものかと思って受講しました。
9800円(税別)でした。

基礎講座は整体技術に必要な医学的知識の勉強とのこと。
案内には解剖学、生理学を主に教えるとありました。

講師(無資格者)が「広背筋」を「後背筋」って板書してたんですよね。
まあ確かに身体の後ろにある筋肉やけどもやね、そもそも「背」ってついてる時点で後ろやからね、とツッコミたくなりました。

上腕二頭筋なんて、「長頭は肩峰突起のへんについてます」だって。
「へん」って!
しかもちゃうし!突起って!
短頭なら烏口突起やけれども!

真剣な顔をして、「ほ〜」とか言って聞いてるカルチャースクールのりで受講してる無資格の方々。
帰り支度を始める有資格者たち。
もちろん僕も帰りました。

まあこれはひどすぎる例ですけど、ベーシック、マスター、インストラクターくらいまでなら、自分が治療するだけならマスターでいいわけですから悪質ではないと思うんですけど、なぜか悪質、低品質なものほどコースがたくさんあるのが多いように思いますね。

 

⑥セミナーのキャッチコピーが売上ではない

最近は、「〇ヶ月で月商〇〇万円になったテクニック」みたいなコピーで売っている治療講座もあります。
目的をはき違えていませんかね?
確かにお金は稼がなきゃならない。
でも、お金を稼ぐために技術を学ぶのではなくて、自分を頼ってきてくれている患者さんの悩みをより早く、より的確に解決するために学ぶはずのもの。
お金を前面に出してる時点で、治療系セミナーのはずなのにマーケティングを教えられたり、技術が本当にしょーもないものだったりすることが多いです。

だから、「自費にできる治療テクニック」なんてのも間違い、ということです。

 

⑦講師

最近は、なぜかちょっと院の売上が上がったらセミナーしちゃう輩も増えてきました。

本当にレベルが低い講師が増えました。
若い子が全部ダメ、とはいいませんが、僕の中で治療力とは「技術×経験×人間性」なので、僕でもまだ若造でまだまだなので、若い子がおいそれと誰にでも技術を教えられるとは思えません。

もちろん、歳食ってるから必ず大丈夫というわけでもありませんが。

僕は、講師自身がその治療を「盲信」に近いレベルまで信じ込んで、自分自身が長年それ一本でやってきたような先生が講師のほうがいいです。
その先生にしかわからない何か、を持ってそうだから。
となると、あまり若い年齢の講師はどうなの?ってなるんです。

それとあんまり腕組んでふんぞり返ってる写真で写ってる講師はイヤですね。

 

⑧エビデンスばかり言わない

最近は、「エビデンス、エビデンス」とアホみたいに言ってアピールしているセミナーもありますね。
例えば腰痛。
もしエビデンスというのなら、海外の最新の論文で急性腰痛に一番効果的な治療は「理学療法+鍼灸治療」という結果が出ています。
エビデンスというのなら、鍼灸はもはや避けては通れない治療法となります。
逆に、脊椎マニピュレーションの効果は、以前ほど高いとは限らないような論文もあります。

エビデンス言うなら、ちゃんと新しい情報仕入れんかい!ということです。

ところで、エビデンスってなんだと思います?

結局は「比較試験」の結果なんですよ。
良い治療をした群、普通の治療をした群、治療したふりをした群、何もしなかった群のグループにわけて結果を出すんです。

僕は今、古くから伝わる整体技術を学んでいますが、エビデンスよりまず技術です。
でも治っちゃうんですよね。

東洋医学もそうです。
うちは婦人科系疾患や内科疾患の治療もしますが、東洋医学的な治療で結果出てますよ。

エビデンスはまだ、伝統的な治療までたどり着けていないんです。
比較試験的なこと言うなら、古くから伝わる技術というのはそれこそ何年も何十年も、もしかしたら百年くらいかけてずっと比較試験的な研鑽をして完成したのかもしれません。

ただ、面白いのはエビデンスに近い考え方になるんです、伝統的な技術を学ぶと。

そしてそれを科学が証明する以前から言ってたりするんです。
鍼灸を否定する先生もおられます。
否定することは悪いことではありません。
なぜ否定するのか、それこそ科学的な根拠があるのでしょうか?
まさか自分が鍼灸師の免許持ってないからじゃないですよね?

エビデンスは我々の経験の中にもあると思います。
なので、なんでもかんでも「アメリカで〜」「欧米で〜」ってそれこそ欧米かっ!

患者さんに寄り添った技術を教えて欲しいものですね。

 

まとめ

僕は常にこの8つの基準を頭に入れてセミナーを選択しています。
あとは好み。
カイロって素晴らしい技術だと思うんですが、僕が英語が大嫌い。
上前腸骨棘でええやん。ASISって。

別にいいんですよ。
一応僕も知ってるし。
これは僕自身のトラウマで、僕がまだ修業して間もない頃、だからまだ専門学校にも行ってない時に、カイロやってる人(国家資格は持ってない)が英語羅列して、全然わからないから尋ねたら、「そんなのも知らないの?」と超バカにされたんですよね。
僕も10代だったので、その辺のもの蹴飛ばして出ていったから、そこは悪いことしたな〜とは思うんですけど、それから一時期カイロする人大嫌いでした。

あ、今はそんなことないですよ。
カイロって素晴らしいなと思います。

でもやっぱり好みじゃない、というかその人のせいで今でも勉強するのは抵抗ある。

こういうのは好みだと思います。
自分が強刺激に弱ければ自ずとソフトな治療法を学ぶだろうし。

ただ、好みと基準が相反する場合は基準を優先してます。

最近は治療系セミナーも増えましたが、基準を明確にすると受けるべきセミナー、受けてはいけないセミナーが明確になると思います。

これだけ増えてても、良い治療セミナーってほんっっっっと少ないです!

 

これをお読みの治療家の方々に、少しでもお役に立てればと思って書かせていただきました。

 

さて、セミナーつながりで宣伝です。

東京で

「整骨院自費導入マスター講座 in 関東」

を開催します。

 

 

残り3席となってます。
未だ保険に頼っている先生は勇気を出してお申し込みください。
今、行動しないとホントじり貧になります。
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整骨院自費導入マスター講座 in  関東

 

 

 

 

投稿者: 正隆松村

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