AppleとANAから学ぶ、個の力と非マニュアルの重要性と我々の仕事の本質

こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

今回は、私が実際に体験したAppleとANAの対応から感じたことを書かせていただきたいと思います。

 

INDEX

Appleサポートでドエライ目にあったお話

まずは去年、Appleで私が経験したお話を。
去年の10月にAppleの新製品発表で新しいMacbookPROが出るということで、website制作、管理をしている嫁さんのPCを買い、受付用にMacbookAir、私が嫁さんが使っていた旧型のMacBookPROという形にしようと言うことになり、新型MacBookPROをフルスペックにして買うというかなり贅沢な買い物をしました。
総額30万以上です。

注文から1ヶ月ほど待って商品到着。
すぐにこんな症状になりました↓

【新MacBookPro】Aの呪い

すぐにAppleのサポートセンターに電話。なんと、どっかでシステムがバグっていてスローキー設定がONのままになっている可能性があるとのことで、なんと一旦初期化してPC内を空っぽにして、そこからバックアップデータを引き継がず、ファイルだけを入れ直してくれと言われその通り実践。

ちなみにこの作業だけで1日潰れました。

 

しかし全く改善しませんでした。
要するに不良品をつかまされたということでした。
嫁さんは怒りのあまりこんなブログを書いてました↓

【新MacBookPro】初期化〜TimeMachineを使わずにデータとアプリケーションを戻してみた

不良品とわかった時点で、本来考えられる対応は

・新品交換
・修理

になります。
そして、仕事で使っているためPCがない状況はそれだけで金銭的にも時間的にも大きな損失となります。
となると、Apple側の対応としては

・早急に新品交換 or 迅速に修理
・修理の場合はその期間中代替え機貸し出し

が常識的な対応になると思うのですが、Appleが出した答えは・・・・

新品交換はしない、修理のみ対応、修理期間は1週間、そして代替え機は出さないという対応でした。

スペシャリストという肩書きの人が対応でしたが、さすがにそれは譲れんということで、期間を短縮することをリクエスト。すべて会社の規則的に対応できないの一点張り。
スペシャリストの人もかわいそうでしたが、こっちも仕事で使用している以上、譲れません。
すでに1日以上全く生産性のない日をすごしているわけですから、さっさと正常な新品よこしやがれって話です。

私は

「あなた個人は何も悪くないのは私もわかっています。悪いのはあなたが勤務しているAppleという会社。会社のシステムに問題があるわけだから、あなたよりも権限のある人に報告して、あなた方の対応マニュアルにはない対応をできるようにしてください」

とお願い。返答は

「私がスペシャリストとして対応しておりますので、私の判断が会社の判断となります。色々模索しましたができないのです」

ということになり、仕方なく修理をすることに。その際

「1週間程度でお手元に戻ってきます」

と言われました。するとその翌日、

「キーボードのなんちゃら(忘れた)という部品に不具合がありました。実はその部品の在庫がなく修理がいつになるかわからない状況です」

と電話が。さすがに頭に来たので

「今すぐ新品を持ってここに来い」

と無茶を言ってみました(笑)
もちろん、

「新品交換はできかねるのです」

と役所的対応。
さっすがにイライラしました。

電話は録音しているとアナウンスが流れるため、まずは証拠固めと、私自身も録音をしながら状況を再確認。
いかにこちらに非がなく、Appleだけの責任かを証明していきます。

「あなたね、今回のトラブルはMacbookPROの初期不良やんね?」
「はいそうです。」
「ということは、私に何の落ち度もないよね?」
「はい、ございません。」
「じゃあ私は被害者やね?」
「はい、そうです。」
「じゃああなた方はどういう対応したらいいの?」

という感じです。

「お気持ちはわかるのですが、対応できないので・・・・」

とまだ食い下がってきます。そこで代替案を。

「じゃあ返品するわ。お金返してくれる?で、もう一回MacbookPROの新品買うわ。」
「返品には応じられません」

スペシャリストとやらと話をしても埒が明きません。
ですので、一旦電話を切り知り合いの弁護士に相談。
もし法的な話になったら負ける要素無しと言われたのでまた電話。

「え〜、あなたの会社は、100%あなたの会社が悪いにも関わらず、その会社のルールを被害者に押しつけるんですかね?わかりました。この会話も含めて録音してますよね、そちらは。こっちはただまともな商品を手にしたかっただけやけど、対応があまりにひどいのですでに弁護士に相談しております。この時間も含めた、Appleの責任で生じた損害すべて計算して、こちらの弁護士とAppleの弁護士との話にします。もちろん、スペシャリストとしての対応の証拠としてあなたの名前も弁護士に伝えます。先日の電話の内容も、そちらも録音していますが証拠として提出されないといけないと思ったので、こちらでも録音しております。あなたのお名前は◎◎さんですよね?どうせ時間かかるなら徹底的に時間かけてやらせていただきます。今回のこの対応を絶対に許すわけにはいきません。」

となるべく丁寧に丁寧にを心がけて伝えました。
するとようやく、

「べ、弁護士ですか・・・・ちょっとお待ちください」

と、ようやく上司のような人間と交渉することができました。
ここですんなり返品OKとなりました。
※弁護士というキーワードをすぐに脅しで出す人がいますが、それはナンセンス。
というのも、今回は私に非がなく、なおかつすでに時間的にも金銭的にも損失を被っていて、その証拠もあり、実際に弁護士に相談しているからこそ先方にもそれが伝わったから急に対応を変えたわけであって、弁護士というのは依頼人の利益を守る義務があるにはありますが、ワガママを押し通すために存在するわけではありません。

この回答を聞いた時点でApplestoreにすぐにMacbookPROを再度注文。
しかしまたまたムカつくことを。

「では一旦お送りいただいていたPCをそちらに送り直しますので、そこからApplestoreに送っていただけますでしょうか?」

と・・・・

いや〜、この時点でさすがにキレました。
育ちが出ますね(笑)

「おい、ええかげんにせえよ。そんなもんお前ら同士でやりとりせえや。これ以上被害者を巻き込むな」

と言ったのですが

「申し訳ございません、部門が違いましてどうしようもないのです」

とお役所的対応。もう呆れて何も言えません。
キレてたのですが、なぜか笑いが出てきました。

「わかったわかった。じゃあ今すぐ送って。そのかわり『いつ届くかわからない』はやめろよ。ちゃんと約束せえ」

ということで、当日発送、翌日着となりました。

これ、一切話を盛っていない、完全実話なんですよね。
だから、Appleユーザーではあるものの、私はAppleが大嫌い。
ただ、値段の割に性能があるので渋々使っていますが、クリエイティブ系の仕事をするわけでもない私は、次に買い換えるならWindowsのゲーマーズPCを購入しようと思っています。

しかし面白いのは、そんなAppleサポートに高評価をつけている人もいるということなんですよね。
なぜなんだろうと疑問に思って調べてみると、Appleサポートを高く評価している人のほとんどは、iPhone、iPodなどを無償交換してくれたというもの。
要するに低単価商品の対応は良いんです。
PC関連でも、「初心者にも優しく教えてくれた」というくらいのレベル。

で、評価が低かった人のほとんどは高額商品を購入している人でした。
Appleという会社が、ターゲット顧客をiPhone、iPad、iPodユーザーメインにして、そのためのマニュアルを作ったからということと、今回私に対応したスペシャリストの質が悪かったという、いわゆる「当たり」の問題の両方からここまでこじれた話になり、私にとってAppleサポートはものすごく低い評価になるということが起こったのだと思います。

 

LCC以下のクオリティだったANA

先週土曜日から、九州のアカデミー会員の先生たちと勉強会をしておりました。
普段ならLCC(福岡はpeach)で行くのですが、私が住んでる西宮から関空は車で40分。交通費が片道約2000円。

伊丹空港なら西宮から20分。交通費片道約1000円。

行き帰りに嫁さんに車で迎えに来てもらう都合、2往復分の交通費がいることを考えると合計の経費にするとさほど変わらない、空港までの所要時間は半分、なおかつ搭乗口から滑走路までバス移動ということや、席が狭い、飛行中はドリンクも出ない、平気で遅れるとなると、飛行機代の違いはもはや皆無となってきます。
そんなこんなで東京や福岡に行く際は、うちの受付スタッフさんがJALの元グランドクルーだったこともあり、JALを利用していました。

JAL利用の時は、機内は無料Wi-Fi、いつも定刻通り、台風の時は3日前の時点で気象庁の予報円に発着どちらかの空港が入っていたら全額払戻(もちろん手数料なし)という対応でした。

先週土曜日、日本シリーズの影響もあってか、JALは全て埋まっており(すでに2ヶ月以上前に予約しようとして)、ANAがまだ空いていたので人生初ANAとなりました。

皆様ご存知のように台風が来てましたので、「もしも」を考えANAのサポートデスクに電話。

すると、

・気象庁の予報円は関係ない、あくまでANAの判断
・払戻対応かどうかは早くて前日、遅くて当日にわかる

というものでした。
仕事で行き、帰りも翌日の仕事があるから、確実性が欲しいと言ったところで対応が変わることはありませんでした。
まあ、サポートデスクの対応は悪くありませんでしたし、デスクの人も謝罪しかできないという感じでした。

まあ幸い、行きの伊丹発福岡行は飛んだのですが!!!!!

雨ダダぶりなのに搭乗口から飛行機までバス移動。
そしてまさかのプロペラ機で、座席はLCC以下!

料金、正規値段で27100円、特割でも14400円ですよ!
(旅割45とかもありましたが、すでに席が埋まっていたので私は14400円でした)

その時点で少しムカッとしましたが我慢してフライト。
台風の影響でシートベルト着用サインが消えず、機内サービスはなし。
あげく

「JALよりANAのほうがCAさんが若くて綺麗!」

と患者さんから聞いて期待してたのに(笑)、プロペラ機の座席の通路通るのに横歩きしないといけないほどのデブ。

また、

「当機は定刻通りに福岡空港に着きます」

と、着陸30分ほど前にアナウンスしたにも関わらず、滑走路に飛行機のタイヤが着いた時間がすでに20分遅れ。

搭乗口に移動している最中に

「今回はずっと向かい風で到着が遅れました」

ってアナウンスあったけど、そんなのが着陸30分前にわからんのかいって話。
そして搭乗口までまたバス移動。
そして搭乗口はもはや搭乗口とは呼べないレベルのプレハブで、あちこち雨漏りして濡れる、と最悪なフライトとなりました。

私はpeachの場合は必ず一番前のシートを取るので、時間帯にもよりますがだいたい片道8000〜9000円。
JALも早割でJシートで15000円程度。

頭の中は、「これで14400円・・・」という言葉がリフレインしていました。

福岡空港から地下鉄までは空港内に入ることなく外から地下に降り改札へ。
結局、目的地への到着予定も大幅に遅れました。

もっと最悪なのは帰り。
日曜日の朝、ホテルからネットでANAのサイトをチェック。
その時は伊丹着は普通に飛ぶということでした。

朝10時にチェックして、13時頃まで数回チェックして変更なしだったので、

「お、これは帰りも大丈夫やな」

と安心してました。
勉強会を13時から開催し、休憩を入れた15時頃になんとなくチェック。
すると、伊丹着の便が欠航、もしくは目的地近くまで行って引き返すかも、ということに変更されてました。

まあ見越して新幹線を取ってはいましたが、岡山の会員の先生も参加してるし、終わってから飲みに行くということを聞いたので、飛行機の払戻手続きをし(これもネットがつながらないで三回入力し直した)、新幹線を最終のみずほに変更しようとすると、日本シリーズと天候の両方の影響か指定席は満席。
みずほの指定席ってグリーン並みなんで普通席で十分なんですよね。
仕方なしにグリーンを取りました。この時点で18000円弱。

せめて前日に払戻手続きができていれば、新幹線の変更ももっと早くできたので席はあったかも?と思うと、ANAのせいで非常に無駄な出費をしたように感じました。

ちなみに土曜日、会員の先生と飲んでタクシーでホテルまで帰ったのですが、なんとホテルを間違えられてしまいました。降りてすぐ違うお客さんを乗せたので、違うタクシーに乗車。
本来なら薬院から天神までは800円くらいだったのに、博多駅近くまで連行されたので、天神〜博多で1300円ほど、そして博多から天神まで800円ほどで3倍近いタクシー料金となってしまいましたが、幸先の悪いスタートだったので、それもこれもなんとなくANAのせいちゃうかという感情になってしまいました。

 

マニュアル化の果て

AppleもANAも、大きい会社です。
我々柔道整復師が、いくら分院展開したところでその規模や年商は超えられません。
Appleはデバイス、ANAは交通というものを販売している会社であり、私はデバイス購入、目的地まで着くという機能的な目的は達成しているわけです。

にも関わらず、私はAppleサポートはクソだという評価を下し、今後ANAはなるべく乗らないと心に決めております。

Appleはマニュアルの守備範囲を超えた事案だったにも関わらず、私が当たったスペシャリストが応用が効かないのかバカなのかアホなのかわかりませんが、要するに個の能力が低かったために起こったであろうと考えられ、ANAもマニュアルを乗客に押しつけただけの対応だということがわかります。

 

会社規模が大きくなるほどマニュアルに縛られている

本来、マニュアルというものは平均値を底上げするものです。
要するに「最低限これは当たり前のようにできるように」というものです。

だからこそ、マニュアル化できるものに関してはマニュアル化するべきです。
しかし、本来マニュアルというものは社員が生産性を上げるまで成長する速度を少し速めるためのツールであるだけのはずなのに、大きな会社ほどマニュアルが人を縛り付けて、能力の高い人はマニュアルに無駄や不満を感じ、能力の低い人は何も考えないようになってしまっているように思います。
マニュアルによって、能力が高い人はその力を発揮できなくなり、能力の低い人はマニュアルレベルまでの業務ができるようになることと引き替えに、いつか機械に取って変わられるクオリティの仕事しかできない、要するに生産性のある人間として成長するチャンスを奪われている状況になり、それが私のような不幸な顧客を生み出す結果となっているように思います。
「2:6:2」の法則で考えると、下2割はマニュアル通りやったところで私のような顧客を増やすわけですから、雇用する人数が多ければ多いほど、下の2の数も増えるわけですので、不幸な顧客数も増えてしまうという結果になるということは確率統計的にわかります。

 

マニュアルに縛り付けられたら、個の成長も止まる

AppleやANAのような大企業で勤務していても、アホな対応しかできない人がいるわけです。
これが我々の業界になったらどんな結果になるか目に見えています。それに、人の身体の不思議なところで、プラシーボ効果もあれば、マニュアルレベルのマッサージで改善することも少なくありません。(たかが知れてるレベルですが)

となると、そのグループの中では上手にマニュアルをこなせるようになり、難易度の低いレベルの症状を改善させることができるようになってしまったところで、満足して開業するか、マネジメント部門に移動して柔道整復師なのに白衣を着ず、分院を回ってそれぞれの分院長と数字の話をするようになるかのどちらかになります。

エラそうに「僕も以前は現場に出てて〜」とか「あ〜、たまには現場出たいな」なんて言いながら。
マッサージに毛の生えたようなことしかできない癖にね。

大企業で、誰がやってもそこそこ同じことができるような作業レベルの仕事なら成長しなくても最低限の給料がもらえていいかもしれません。自分の時間を切り売りして。

しかし我々は人の身体をお預かりする仕事。
それでいいのでしょうか?
それに、業界的に見ても今後そういう院で出世して勘違いした柔道整復師が開業するのです。

私個人としては、そういうレベルの低い柔道整復師が近くに開業してくれると、逆に私の院の評価が上がるのでありがたいのですが、業界的には質の急降下となり、被害者も増えてくるわけですのであまり良いことではありません。
この問題は、私のように一人で院をやっている柔道整復師が大きな声を出してもダメなところで、本来は分院展開をしている経営者こそ資金があるわけだから「損して得取れ」でスタッフ教育に時間をかけ、単にカンタンなマニュアルを覚えさせて下手に早く生産性を上げることにこだわるのではなく、ぜひ本当に業界のことを考えてスタッフ育成し、少しでも今より改善させ問題解決に向けて努力することが、自身が現場に出ずにお金をいただくというお金と時間の両方を手にしたものの義務だと思います。

ではなぜ、経営者はマニュアル化し、短期でスタッフに生産性を持たせるのでしょうか?
そこに、消費者(我々業界なら患者さん)と提供する側にギャップがあるわけなんです。

 

「商品・技術・サービスを売っている」という勘違い

例えば我々の業界なら、経営者が「治療という技術」を売っていると勘違いしているから、平均的に誰にでも売れるものにすればスタッフ育成に時間もあまりかけずに収益を出すことができると思ってしまうのです。

そしてそれは半分正解で、半分は不正解なのです。

例えば私は、Appleという会社、ANAという会社が嫌いになりました。
もちろん万人に好かれることなどないですが、選択肢に入らないという状況ではなく「嫌い」と思われることはあまり良いことではないと思います。

 

「結果を売っている」という勘違い

では次に我々業界にフォーカスしてみましょう。
すでに我々の業界も腐るほどコンサルがいて、マーケティングやマネジメントなどのメソッドを提供していただいているので、「技術を売っているのではない」ということも理解している人も増えてきました。

その代わり、

「患者は技術を買っているんじゃない、結果を買っているんだ」

という人も増えてきました。
それは本当に正しいのでしょうか?

話をAppleとANAに戻してみましょう。
私はAppleという会社は嫌いですし、今後PCの買い換え時期になった時にはWindowsに乗り換えることも検討に入れてはいるものの、スマホよりiPhoneのほうが使いやすいこと、そしてiPhoneとMacbook、iPadの連携の良さは捨てられるかどうか微妙なところです。
でも、Apple未経験でPCを購入しようとする人がいたら、間違いなくサポートのクオリティを伝え「それでも買いたいなら自己責任で買ってね」と言うでしょう。

ANAもJALやLCCに便や席がなく、ANAでしか目的地に行けない場合はANAを使うでしょう。
でも、Appleのパソコンは以前は「次もMacbook!」だったものがWindowsを視野に入れるようになりましたし、ANAを積極的に乗ることもないですし、飛行機と新幹線なら私は断然飛行機でちゃっちゃと移動したいタイプですが、新幹線で間に合う範囲ならANAより新幹線を選択するでしょう。

私は結果を手にしているにも関わらず、そして今後もそれなりの結果を手に入れることができるとわかっているけど積極的にそれを手にはしないという選択をしています。

ANAなんぞは公共交通機関だから仕方なく使うことがあるから選択する可能性は残っていますが、スマホに関してはiPhoneより使いやすいものが出てきたら間違いなくそちらに乗り換えるでしょう。

AppleやANAでもそうなんです。
我々柔道整復師が、

「治療してもらったら痛くなくなった」

という結果を売っていると思っていたら、全てズレていくのです。
煽り系チラシで

「1mmも変化がなかったら全額返金!」

とか書いておいて、脚長差を変化させて、得意気に

「ほら!変化あった!」

なんていう稚拙なことをしているのも、そういうズレから来ているんです。
だからマーケティング手法もズレてくるんですね。

では、我々は一体何を売っているのでしょうか?

 

治療家は、技術でも結果でもなく、体験を売っている

「松村は何を言ってんねん。治療体験売ってどうすんねん」

なんて思った人は想像力が足りません。
そりゃ治療を受けるという体験なんて売れるはずありません。
最近はそこらへんで「無料体験」をやってますからね。

我々が売っているのは

悩んでいた症状が治ったことで、
悩んでいた時には想像もできなかった
Happyな状態になったという体験

を売っているのです。

自費はそこを意識しないといけません。
そして、付け加えるなら、患者さんだけがHappyになったのではなく、提供する側もなんらかのHappyな状態になるというところまで想像できれば最高です。

経営者気取りの先生がよく

「WIN-WINやろ!」

とか得意気に言うことがありますが、本来そんな状態はありません。
WINとは勝つということ。
勝者がいれば敗者がいるのが世の常です。

例えば保険。
よく

「俺らも安い金額でできるから患者集めやすくて儲けやすい。患者も安い金額でサービス受けられるからWIN-WINや!」

なんて言いますが、こういうこと言う人って、本当に頭弱いなって思ってしまいますね。

ちゃんと敗者は存在してます。
それは行政。
そして行政に税金を納めているという点では結局その院の患者さんだけは勝者かもしれないけど、それ以外の国民は敗者になっているということなのです。

目指すべきは

「Happy-Happy」

という状態。
術者と患者さんがお互いHappyになることを目指すべきなんです。

 

体験を売るために必要なのは真の理念!

はっきり言います。
マニュアル化して、分院展開しているところでは、患者さん自身も想像できなかったHappyな体験を売っていくことはできません。

なぜなら、真の理念がないから。

理念を掲げていても、かな〜り嘘くさい綺麗事を並べた理念の元、結局は毎月売上目標を掲げ、売上目標に応じてご褒美をあげている会社に、真の理念なんぞあるはずもありません。

スタッフは目標達成のために頑張るだけです。
給料増えたら嬉しいし、おごりで美味しいもの食べて飲んですりゃラッキーですから。

真の理念とは、事業をする目的のこと。
金儲けのテクニック、要するに「理念掲げたほうがスタッフのモチベーションを保ちやすい」とかそんな理由で作った、薄っぺらい理念ではなく、本気でなぜあなたがこの仕事をやり続けるのかという目的を明確にする必要があるのです。

真の理念は会社の憲法となり得ます。
これは構造構成主義の西條剛央先生も言われていますし、「ミッション」で有名な岩田松雄さんも言われています。

そして経営において、売上を犠牲にしてでも貫かなくてはならないのが理念。
そこをスタッフに伝えず、

「全ては患者様のため」

とか

「世界に出る」

とか(もはや理念ですらないが)わけのわからないことを掲げても、例え短期的に売上を伸ばすこと、キープすることができたとしても、それは長くても10年20年、短ければ数年で衰退してしまうのです。
そしてその恐怖心がまさか真の理念がないことだなんて気付きもしないから、「漕ぎ出した船は停められない」とばかりに、どんどん分院を増やしていき、未だに「保険+自費」なんてことをしたり、「ハイレベルな技術」って感じの演出をして、患者を騙してマニュアル化された最低限の技術を提供するなどといった、常にウソにまみれた事業をやっていかざるを得ない状況に追い込まれていくのです。

 

小規模の院が強い時代!

院長一人とか、スタッフ数が少なくて院長も毎日現場に出ている院こそ、今は自費切り替えやすいと思います。
まずは院長自身の柔道整復師としての理念を出し、それを院の理念にする。
スタッフにそれを熱意と愛を以て伝えましょう。
もちろん、その理念に合わずに退職するスタッフも出てくるでしょう。
それでいいのです。
理念に合わないスタッフは、どうせストレスの元になりますから。
院長の理念に共感するスタッフとともに、理念に共感する患者さんを集めるのです。

そこに保険云々はもはや存在しなくなります。
だって「Happy-Happy」なのですから。

柔道整復の療養費制度がなくなることはない、というのが私の考えです。
ただ、まだまだ厳しくはなります。
本当の外傷しか請求できない時代も来るでしょう。
もしかしたら償還払いに戻ることくらいはあり得るかもしれません。
グループとして大きくなればなるほど、変化に順応するのは厳しくなります。

小規模なところは、院長さえしっかりすればなんとかなります。
来年に向け、ぜひ今から真の理念を生み出してみてください。

 

※CAUTION
最近、アカデミー会員ですでに自費移行に成功し、売上も順調に伸ばしている院に偵察に行く、もしくはスタッフに偵察に行かせるということがあるようです。数件、そういうことを耳にしています。
ただ、今回の内容の通り、アカデミーで最初に行うのは自費導入や自費移行のための方法論やチラシの作り方やライティングをお伝えすることはなく、この真の理念作りを最初に行います。
ですので、アカデミー会員の院のメニューやホームページをいくらパクっても、その院を影からこそこそ覗いて看板やブラックボードの文章をいくらパクっても結果は出ません。理念に応じて方法は変わるからです。下手すると売上が低下するかもしれませんのでお気を付けください。

※分院展開している先生へ
分院展開している先生はアカデミーとは相性が悪いと感じるかもしれません。実際ボロクソに書いてますし。
もし自費のことでお悩みなら、セミナーを開催していない今年中なら個別に相談に乗ります。私は業界がよくなるのならなんでもします。「柔整業界を適正化する」というのがアカデミーの理念ですので。もちろん、完全シークレットで相談に乗ります。
「〇〇県の〇〇先生に相談を受けた」なんてアホみたいなアピールなんてしませんのでご安心ください。

投稿者: 正隆松村

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