自費導入・移行のための基礎① 〜外に目を向けよう〜

こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
さて前回のブログで、自費導入・移行について書くと言ってしまったので書きます(笑)

とっとと本題に入ります。

例え一人院であっても、自分で院をやっている以上は経営者です。
ということで、まずは「経営とは何か?」を考えていきましょう。

ググってみると、経営とは

 

INDEX

「社会における経営」

経営とは企業の社会的価値を向上させること。これは、CSR(Corporate Social Responsibility)経営と呼ばれ、企業は次のような社会的責任を遂行し、社会から信頼を得ることが求められる。

・自社の事業活動を通じて社会に有益な商品・サービスを提供し、社会に必要とされる
・自社の事業規模や事業特性に応じて、人材の雇用と開発の責任を果たす
・事業活動を通じて一定の利益を確保し、納税や株主配当の責任を果たす
・社会において企業市民として、倫理感を持った活動や法令遵守を徹底する
・文化活動などにより社会貢献度を高める
・地球市民として、環境問題に積極的に取り組む   など

 

「企業内部における経営」

企業の成長・発展を促し、事業価値を向上させること。企業は次のような経営を行うことが重要と考えます。

・事業の創造と成長・発展
・顧客の創造と技術革新
・経営の各領域における生産性の向上(一人当り付加価値の向上など)
・経営資源のコアである人材の開発と活性化
・ブランドやノウハウなど無形価値の向上
・経営体力の源である資金の蓄積と活用
・有効な経営管理技術の適用   など

 

と、書かれてありました。

マネジメントだなんだと、我々の業界でよくある「経営」のセミナーは、みんな「企業内部における経営」のものばかりだということがわかります。

自分の会社にしかフォーカスしないから、いつまでたっても保険にしがみつくスタイルか、治療で自費取れないと思わせて美容やトレーニング系などを導入させるコンサルが多いのでしょう。

 

さてまあ、私たちも経営者ですので、「社会における経営」、要するに外の世界も考えてみましょう。

 

・自社の事業活動を通じて社会に有益な商品・サービスを提供し、社会に必要とされる

治療というのは、社会的にも非常に有益だと思います。
しかしながら、骨盤の歪みと腰痛に関連性がないと科学的に証明されてしまっているこの時代に、なんでもかんでも「骨盤矯正」と言うのはいかがなものか?
消費者をだますようなことは有益ではないと思います。
慢性症状を捻挫や挫傷に置き換えて請求するなんてのはもってのほか!
社会に有益どころか、社会に不利益です。

・自社の事業規模や事業特性に応じて、人材の雇用と開発の責任を果たす

実は私は、完全一人院は推奨しておりません。
できればパートタイムでもいいので、受付さんは雇ったほうがいいと思っています。
経営セミナーに行くと、「雇用で社会貢献」なんて言ってますけど、大企業も散々リストラしまくってるわけですので、身の丈に応じて雇用すればいいんです。
あ、保険を違法に使ってるくせに「雇用で社会貢献」は通用しませんよ。

・事業活動を通じて一定の利益を確保し、納税や株主配当の責任を果たす

ここ、重要なんですが自費にするといくらでもごまかせてしまえます。
しかし、売上の把握をして数値管理しないといけないので、それをしながら税金ちょろまかすとなると、裏帳簿作らないいけなくなります。
そんなのは専門家じゃないと非常に手間がかかりますし、税理士の先生は絶対にしてくれません。
うちも売上も経費もすべて税理士の先生に一切ごまかすことなくお伝えし、毎年決算しております。
節税はいいですが脱税はダメ。
だから自分が頑張った分を納税するだけで十分です。

 

・社会において企業市民として、倫理感を持った活動や法令遵守を徹底する

さてどうでしょうか?
できていますか?
慢性症状を置き換え請求するのは「倫理感を持った活動や法令遵守を徹底する」に値しますか?

 

・文化活動などにより社会貢献度を高める

これはまず、自分の院が法令遵守し、真に社会に役立っている院にしてから考えましょう。
ちなみに私の院は、あまり大々的にアピールはしていませんが障がい者雇用で色々とお手伝いさせていただいております。

 

・地球市民として、環境問題に積極的に取り組む

これもまずは自分の院がちゃんとしてからですね。
電灯をLEDに変えるという些細なことから、何か寄付的なことをするのもいいでしょう。

 

さて、あなたは経営者として、ちゃんと「社会における経営」ができているでしょうか?
分院をいくつも展開して、お金をたくさん得ている人は、「企業内部における経営」は上手かもしれません。
しかし、「保険+自費」で請求単価を下げたり通院頻度を落とすなどして、行政に目を付けられにくく工夫して慢性症状を請求してたり、交通事故をアホみたいに集客しまくったり、科学的根拠も何もない、ただ売れるという理由で「骨盤矯正」「O脚矯正」などとやっているのであればそれは経営者としてはダメだと思うんです。

 

「綺麗事言うなや!」という意見が聞こえてきそうですが、そもそも嘘ついてやっていける時代ではなくなっているんです。

 

恐ろしい画像をお見せしましょう。

 

 

これらは、Yahoo!知恵袋で「整骨院 不正」というキーワードで検索して出てきた質問のほんの一部です。
皆さんもぜひ検索してみてください。

もしまだ保険でバリバリやってはるんなら、背筋が凍って凍傷起こしますよ。

古いものは2011年とかの質問もあるのですが、急激に増えたのは2013年頃からのようです。
これ、なんでかわかります?

スマホ、です。

私自身、Yahoo!知恵袋なんて見たこともなかったので、正直

「こんなの見てるやつおらんやろ〜」

とか思っていたんですが、主婦とか30代前半くらい以下の人って結構参考にするらしいです。
今はアプリもあるので、いつでも見ることができます。

 

コレ↓

なんて、ベストアンサーは「通報しろ」って旨のアドバイスでしたね。

コレ↓

も同じくです。

まあ今あげた二つは日数を付け足していたので仕方ないっちゃあ仕方ないわけですが、色々見ていると

「肩こりで通ったのに、2カ所も捻挫してることにされていた!」

という相談もあり、ベストアンサーはやはり「通報しろ」的内容のものでした。

それだけではありません。
最近流行りの「保険+自費」のバージョンも相談内容にありましたね。

「私は慢性腰痛で骨盤矯正をして欲しかったから、整骨院で骨盤矯正できるところを探したら、勝手に保険+骨盤矯正コースにされました。安くなるからお得ですよと言われましたが、整骨院では慢性の腰痛は保険が効かないはずだから自費を希望したのになんで保険+骨盤矯正なんでしょうか?」

というものもありました。
ちなみにベストアンサーは「不正しまくり整骨院だから通報しろ」的な回答でした(笑)

 

おわかりでしょうか?

もはや、保険だけで経営していくなら、骨折・脱臼の応急処置(整復、固定)、後療(医師の同意を得て)、捻挫、打撲、挫傷しかできない、というか本来はそれが当たり前なんですが、業界団体も、柔道整復師のほとんども自浄作用がないため、世の中が浄化するほうに動き出しているわけです。

大手コンサルが指導するような「保険+自費」も通用しないんです。

もうね、ちゃんと

↑こうしないといけない時代なんです。

 

例えば業界団体内だけを見れば、まだまだ保険にしがみついて、総会や支部会などで顔を合わせれば

「保険厳しいわ〜」

とか

「〇〇組合も回答書来たで」

とか保険に関するネガティブな話題か

「最近患者減ったわ〜、お前んとこどう?」
「うちも全然ですわ〜」

なんて会話をして安心して傷を舐め合っているかもしれません。

そんなことをしている間に、世の中はもうここまで来てしまっているのです。

もはやどんな形態で院を経営していても
「外傷以外は自費」でやっていかなければならない

そんな時代にすでになっているということを把握しておきましょう。

 

次回の「自費導入・移行のための基礎」シリーズ、〜中を見直そう〜です。

 

投稿者: 正隆松村