こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
夏と言えば…
柔道をやっているものなら、金鷲旗とインターハイ。
私の母校は残念ながらインターハイには出場できませんでしたが、その無念を金鷲旗で晴らしていただきたいと期待しています。
このお話は、保険でそこそこ忙しくしている先生に向けたものです。
保険ですら忙しくできない先生は、自費云々の前に色々修正すべきところが多いのでこのお話はお役に立てないと思いますのでご注意ください。
さて本題に入ります。
「売上を伸ばしたいのに、患者を減らせってどういうこと?」
そう思われたと思います。
ずっと保険でやってきてる先生ほど、
受付時間を延長する
休みを減らす
という、とてもムダな努力をする先生が多いです。
それだけならまだしも自費を導入となるとこんなことをしがちです。
↓ ↓ ↓
これ、1番やったらアカンやつ。
自費の時間帯にたった一人予約が入り、昼飯が食べられない、夜が遅くなる…
しんどいだけです。
それに、このやり方は患者さんにはわかりません。
もうブログでも何度も書いていますが、あなたの行きつけの美容室や理容室、居酒屋、レストラン、病院や歯科医院などの正式な屋号、営業時間、定休日、ラストオーダーの時間、メニューなどを全部言えますか?
言えないでしょ?
国技だと言われてる柔道だって、素人さんはほとんど柔道の正式名称知りませんよ。
もしかしたら柔道をやってる人の中にも柔道の正式名称知らない人いるかもしれません。
(ちなみに柔道の正式名称は「日本傳講道館柔道」と言います)
世の中、そんなもんです。
それなのに、なぜ自分の院だけはしっかり細かく覚えておいてもらえてるなんていう勘違いをしているのでしょうか?
私の知り合いに、京都大学法学部を主席で卒業し、司法試験も一発合格し、たまに記者会見の席にも出るような弁護士の先生がいます。
なんせ頭が良い。
うちの叔父がゴルフ仲間だったのですが、4人でラウンドすると、自分の分だけでなく残り3人がどのホールで何打だったか全部覚えてるそうです。
そんな人なら、「なんで覚えられへんねん!」と怒ってもいいでしょう。
しかし、ほとんどの人は違うでしょ。
自分もでけへんことを
人に押しつけたらあきまへん。
次に、ちょっと外(他業種)を見てみましょう。
保険って、薄利多売ですよね?
ですので、薄利多売している牛丼屋とマクドナルドを見てみましょう。
✓牛丼屋
・24時間営業
・〇分以内に出すなどスピード重視
・味は大して美味しくない
・店員はバイトばかりで、接客の質は悪い
✓マクドナルド
・朝早くから夜遅くまで営業
・〇分以内に出すなどスピード重視
・味は大して美味しくない
・店員はバイトばかりで、接客の質は悪い
両方とも、営業時間は長く店員はクソなのが多いです。
昔、マクドナルドの店員はそんなことありませんでしたが、値下げしてからあのマクドナルドの分厚いマニュアルをちゃんと実行できるスタッフが減ってますね。
スマイル0円もなくなりましたし、マニュアルの上辺だけこなすバイトが増えてます。
では売上が悪いのかというとそんなことはありません。
あちらこちらにチェーン展開して売上も数千億とかというべらぼうな数字で出しています。
マクドナルドはたしか2016年の決算では50億円以上黒字だったのではないでしょうか。
少々店員の質が悪くてもいいわけです。
ミシュランの星を取ることを目指してるわけじゃないんですから。
「薄利多売、ええやんけ!」
そう思われるかもしれません。
しかしこれは、「商品ひとつの利益は低くてもたくさん売れることで利益をあげられる」ものに限ります。
もし我々柔道整復師の腕が、阿修羅のようにたくさんあれば同時に数名治療することができるので多少薄利多売方式にしてもいいと思います。
しかし、腕は二本しかありません。
我々のような労働集約型事業で、安い料金体系で経営することは、本当は薄利多売なのではなく多売薄利(多く売れても利益が少ない)なんです。
わかります?
薄利多売は、商品ひとつの利益は低くてもたくさん売ると書きましたよね。
結局、大きい利益出てるんですよ。
違い、わかってくださいね。
最近は、ホスピタリティだ、インフォームドコンセントだと言われ、やっすいものを売ってるはずなのに接客的な部分の質まで求められる。ホントありえません!
保険にしがみついていればいるほどどんどん仕事はたくさんしないといけないけど利益は少ないという状況になってくるわけです。
スタッフを雇用していたらまだマシですけど、10院、20院と展開していてリスク分散していないと分院展開のメリットもないでしょう。
「外傷以外を自費」という形、もしくは私と同じように自費専門に変えるということは、
この多売薄利状態から脱却することなんです。
しかも自費と予約制はセット。
ということは、1日の予約枠には限りがあるわけですから、保険患者で予約枠が埋まってしまったら、もうそこには自費患者を入れることはできないわけです。
そんな状態でどうやって自費の売上を伸ばすんですか?
え?だから昼休みと夜に時間作って…
だからそれはわかりにくいし、何年もそんな状態でもたへんし、そもそもゴールが「治る」で同じやのにわざわざ予約して高いお金払う人のほうがおかしいでしょって!
だから自費の売上を伸ばすために、まずしないといけないことは、
保険患者を減らす
ことなんです。
方法ななんでもいいです。
私のようにいきなり自費移行したらゼロになります。
むっちゃ焦りましたけど、ゼロからなんで伸びるしかないです。
あとは一部負担金のほかに自費料金をもらう。
要するに値上げです。
値上げは、値上げした分だけ患者数は減ります。
でも、値上げしてるので結局売上は変わりません。
予約枠も空くので、自費患者を受け入れることができます。
段階を経てやっていくなら、+500円、+1000円、+1500円とやっていけばいいのです。
値段を上げた分、患者さんは減ります。
でも「請求金額+窓口料金」にさほど差は出ません。
むしろ上がるかもしれません。
大事なのは、そういう中途半端な状態でダラダラするんじゃなく、しっかりと自費の患者さんを増やしていって、期間を決めてそれ以降はもう保険+〇〇円みたいなことをやめ、「外傷以外は自費」でやっていけるようにすればいいわけです。
「保険患者を切り捨てられへん」
それは優しさではなく甘さです。
本当にファンなら、自費でも来てくれます。
週3回通っていた人が、月1回になっても来てくれます。
逆に、安いから、保険が効くからという人は、ファンのふりしてますけどすぐに来なくなります。
そんなもんです。
いいじゃないですか、だいたい安い金額を求める人のほうがクレーム多いしワガママだし、ややこしい。
これは私だけでなく、アカデミー会員ですでに自費導入に成功している先生がみんな「自費患者さんってむっちゃ質いいですね」と言ってます。
そんな質の悪い患者は、ヨソに言ってもらったらいいじゃないですか、もう。
経営という点で見ても、小さい規模の事業であればあるほど、質の悪い顧客を切り捨て、質の良い顧客と付き合うことが必須です。
我々も同じなんです。
あ、ちなみにこれを読んで「松村は最低なヤツやな。保険の患者を見殺しにするんか」と思われた先生は相当な保険依存症ですよ。そもそも外傷しか保険使えないんだから(笑)
肩こり慢性腰痛ヘルニア、みんなあきまへんで〜!
根本間違えといて文句は言うのはアホのやることやで。
むしろ今まで患者さんを騙して数百円で気持ちよくもんでもらうことを覚えさせてしまったり、数百円で長年悩んでいた症状が解決しちゃうことを覚えさせてしまったということそのもののほうが罪は重い。
そういう人は、そういう価値観になってしまってるわけだし。
まあこれは国民皆保険制度にも問題があることと、世代的に団塊の世代が権利意識が凄く高いことで拍車がかかっている気もしますが。
「外傷以外を自費」「完全自費移行」どちらも、労働時間を短くしてなおかつ売上が伸びるということは間違いないと思います。
金額は言えませんが、今の私の院の売上を、保険メインの経営で出そうと思ったら柔道整復師が最低でも3人必要で、なおかつ受付時間を増やし休診日を減らさないといけないでしょう。
なんせ今うちは週休2.5日ですから。
今は副院長を雇用していますが、それでも1人の柔道整復師に昼まで入っているパートの受付さん1人。(またこの受付さんが本当にスーパー受付なのでとっても助かっているのですが)
柔道整復師3人の人件費より全然安いですし、今は雇用するのも一苦労だし、若い子は仕事できなくてもお金だけは一人前に要求するというカツアゲレベルのことをしてくるので怖くて雇えないですし。
どうしても、ここまで書いたのにどうしても、自費云々どころか窓口の値上げでもできないのなら、とりあえず冷やし中華みたいに「自費治療始めました。1回5000円」とかPOP作って貼ってみたらどうでしょう。
一人くらい「先生、これやってみたい」って出てくると思いますよ。
そして、そういう患者さんがいるということは、あなたの治療を正しく評価してくれている人がいるということだから、臆せず値上げしたり自費に変えたりしても大丈夫ということなんです。
あ、でも自費治療1回5000円とかで1時間モミモミとかは絶対にやめてくださいね。
それは保険より安売りしてるから。